外部スタッフ採用でマネジメントコスト削減

総合外部スタッフ採用でマネジメントコスト削減

ココナラ(東京・渋谷区)は、知識・スキルを売り買いできるオンラインマーケットを手がけている。南章行社長の片腕となっているのは、業務委託として契約している女性だ。

新規事業開発・メールマーケティングを業務委託

彼女の業務内容は新規事業開発。同社の新規事業については、南社長が企画からフィージビリティスタディまで実務をこなす。ただ、忙しい社長をフォローして、南社長と事業計画について対等に話せるだけの知識・スキルのある人材が必要となっていた。そこで、IT系の企業でいくつも事業を立ち上げてきた経験がある女性に、業務委託を依頼することになった。週2日の昼間のみの出社にもかかわらず、社長と一緒に企画を練ったり、クライアント先を回ってヒアリングした内容を資料にまとめたりという仕事を難なくこなしている。

ココナラでは、すでに業務委託の成功例がある。メールマーケティングの指導を受けるため、期間限定で“ママさん”人材に委託した事例だ。会社としてメールマーケティングに取り組むにあたって、その分野で経験が豊富な人材を起用したのだ。彼女には、週に1回2時間のレクチャーを4回担当してもらった。

写真はイメージです

これで契約は終了する予定だったが、南社長はその女性のクオリティの高さに惚れ込んだ。そこで、レクチャーしてもらった方法を社内で実践するにあたって、いろいろとアドバイスしてもらうポジションを設けた。そのママさん人材は現在、週に2回、社内の業務をチェックし、ミーティングも週に1回か2回ほど参加。残りはリモートで対応しながら、アドバイザーとしての業務を続けている。

二人とも勤務時間が限られているなかで、うまくアウトプットを出み出している秘訣は社長とのお互いの確認作業にある。

メールマーケティングを指導した女性は、経歴を見て興味を持ったため、一度会ってみようというぐらいの気持ちだった。しかし話を聞いてみたところ、自分たちにはないスキルを持ち合わせていることがわかった。そこで、週1回のレクチャーを依頼したのが始まりだった。

時間の切り売りではスキルを発揮できない

新たにスタッフを迎え入れる場合、一般的には「週に何日働くか」といった働く日数や働く時間帯ありきで人材を探すことが多い。しかし、これではどうしてもスタッフにとって、時間を切り売りする意識が強くなってしまう。

南社長は、ワークスタイルは極力柔軟にすべきだと考えている。重要なことは、最初に「会社の課題」と「業務を依頼する人のキャリアやスキル」を整理し、その組み合わせ方や会社側の担当者の選定をきちんと決めておく必要があるという。

「入口でお互い何ができるかということをきちんと確認して、そこから何をやるかという定義して、働き方を決めるという風に手順を踏むことが重要だと思います。もちろん起用した方に実力があり、経験も豊富な方だからできることです」(南社長)。業務内容や目的について、スタッフとともに最初の段階で確認すること。これは、外部人材を活用する際に、意外と忘れがちになる重要なポイントだ。

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指示要らずでマネジメントコストが不要

企業側は人材のスキルレベルを確認する。働く側は自らが携わりたいと思える業務かどうか、自分のバリューを出せそうかというポイントを確認する。

一般社員の場合は会社側がマネジメントする。しかし、スキルの高い人材を業務委託として起用した結果、マネジメントやコントロールなどの必要がなく、むしろ自ら提案して、会社の組織構造を理解した上で自発的に動いてくれる。「手がかからず、出社は週1日、2日だけなのにきちんとバリューも出してくれるなんて、経営者の立場からするとすごく助かりますね」(南社長)。

業務委託しているスタッフに対して、社長が細かく指示することはない。自らの時間を節約するのが目的の一つなので、マネジメントコストがかかるのでは委託する意味がなくなる。実際、新規事業開発を担当している女性スタッフとのミーティングは週に1回、業務開始前の20分ほどだけ。その場で自発的に、その日の進捗状況と次回の出社予定日の報告を受けて、社長が承諾して業務が進められていく。

働き方の選択肢広げて自分の価値を出せる社会に

南社長は業務委託スタッフとの仕事を経験して、優秀な女性の業務の進め方に感銘を受けるとともに、女性の働き方に関して注目するようになったという。キャリアが高い人の多くが、復帰後に携わる仕事に物足りなさを感じたり、もっと自分の経験や実力を活かしたいと考えたりして、思うように力を発揮できないままでいる。子育て、介護などでフルタイムでは働きにくいという女性も多い。

「たくさん働きたい人にとっては、深夜まで働いてチャレンジできる場があればいい。お子さんがいるような人だったらちゃんと決まった時間に働いて、子どもが熱を出したら帰れるような会社になればいいと思います。子どもが理由で早めに帰ることを遠慮しなければならない会社でありたくないし、周りの社員もそれが当然だと言う組織にしたいと思っています」(南社長)。

様々な勤務形態があり、それぞれのライフスタイルに合わせて自分が出したい価値をフルに出せる。自分が大事にしているライフスタイルを維持しながら働ける。それが私にとっての理想の社会だと南社長は話す。