都内自治体、採用を拡大 五輪・防災強化で人材確保

総合都内自治体、採用を拡大 五輪・防災強化で人材確保

東京都や都内の自治体が採用規模を拡大している。団塊やその後の世代の大量退職を補い、2020年五輪の開催準備や防災対策の強化のために人材を確保する狙いだ。景気の回復で採用を増やしている民間企業との併願者を引きつけるため、選考試験や合格発表を前倒しする動きもある。

23区は15年春に大卒程度の区分で過去最多となる計1133人を採る計画だ。「老朽化したインフラや公共施設の更新、五輪に向けた街づくりで特に技術職のニーズが高まっている」(特別区人事委員会事務局)

都は大卒程度にあたる「I類B」の採用予定数を14年春に比べて48人増やして744人とする。財政が悪化した2000年ころには100人前後まで絞っていたが、団塊世代の退職をカバーする必要があり、近年は間口を広げつつある。それでも7日に締め切った倍率は12.5倍の狭き門だ。

都は五輪の開催が決まり、人手の確保を迫られている事情もある。特に都市整備を担う技術職を求めており、民間企業の志望者が応募しやすいよう、公務員試験のための特別な対策が不要な新試験を土木・建築分野で導入する。最終合格発表も1カ月早め、夏休み前の7月に移行。他の自治体や民間志望の学生をなるべく逃さないようにする。

これに対抗する動きも出てきた。立川市は土木や建築などの技術職について、採用試験を2カ月早め、5月に実施する。市人事課は「都が技術職を積極的に採用するので、市も早めに動きたい」と説明。都との併願者も多いことから、従来の日程だと人材確保が難しくなるとの判断がある。

八王子市も危機感を強め、「早めの内定を出して優秀な人材確保を進めたい」(職員課)と話す。景況感の改善や五輪開催で、民間企業だけでなく他の自治体とも人材確保で競合するが、縁故採用ができない自治体は打つ手が限られる。

公務員試験対策の大原法律専門学校(東京・千代田)は「東京都の人気は絶大だが、市役所の採用は民間などとの競合が影響しそう」と指摘する。