非正規雇用に評価と安心を 衆院選、待遇改善打ち出す各党

総合非正規雇用に評価と安心を 衆院選、待遇改善打ち出す各党

パートやアルバイトなど非正規雇用が増加し、雇用者全体に占める割合は36%と高止まりしている。正社員との収入格差も広がり、衆院選で各党は非正規雇用の待遇改善をうたった公約を相次ぎ打ち出している。少子化で労働力人口の減少が見込まれるなか、専門家は「非正規雇用の希望者が正社員になれるといった柔軟な労働市場づくりが必要だ」と指摘する。

「なれるものなら正社員になりたいが、年齢的に難しいかも……」。九州地方に住む40代女性はつぶやく。大学卒業後、物流関係の会社に入ったが、業績悪化のため30代で退職を余儀なくされた。その後は事務職の契約社員として働くが「将来を考えると、社会保障や収入の面で不安になる」と話す。

総務省の労働力調査によると、2013年の非正規雇用は前年比約93万人増の約1906万人。雇用者全体に占める割合は、前年比1.4ポイント増の36.6%と4年連続で上昇した。年齢別でみると、約半数が44歳までの人だった。

非正規雇用を対象にした総務省などの意識調査によると、正社員として働く機会がなく、不本意ながら非正規で働く人の割合は19.2%。25~34歳の若年世代に限れば30.3%に上る。

一方、国税庁の調査では、13年の正社員の平均年収が473万円(前年比1.2%増)なのに対し、非正規雇用は168万円(同0.1%減)となり、収入の格差が広がっている。

非正規雇用の増加を受け、衆院選で各党は公約に非正規雇用の待遇改善を前面に打ち出している。連合が支援する民主党を含めた野党各党は、同じ仕事をしていれば同じ賃金を支払う「同一労働・同一賃金」ルールを導入すべきだと主張する。

ただ、経済界は、年功賃金が主流で仕事内容に応じた賃金体系が普及していない現状でのルールの導入は難しいという立場だ。自民党と公明党は、助成金などを使って非正規雇用の正社員転換を後押しすべきだと主張している。

労働政策に詳しい中央大の阿部正浩教授(労働経済学)は「労働力人口の減少が見込まれるなか、企業は非正規雇用の仕事ぶりをしっかり評価する必要がある」と指摘。そのうえで「昇進・昇格の適用に加え、能力のある希望者は正社員になれるといった仕組みも整えるべきだ」と話している。