総合静岡県内のバス会社や建設業、人手不足解消へ対策相次ぐ
静岡県内で人手不足が目立つ運輸や建設業界などの企業が対策に動き始めた。路線バスを運行するしずてつジャストライン(静岡市)などが運転手に養成する高校の新卒採用枠を拡大。加和太建設(三島市)は型枠工や鉄筋工などを養成するカリキュラムの検討を始めた。県内の有効求人倍率は上昇を続けており、人手不足は非製造業全般に広がっている。
しずてつジャストラインは高卒のバス運転手の採用枠を拡大する。近年は2~3人程度だったが、2015年春は10~20人とし、16年春はさらに増やす方向だ。
同社は近年、中途採用を中心に年間40~50人採用してきたが、「(即戦力となる)中途は運輸業界全般で獲得競争が激しくなっている」(同社)。新卒は中途採用に比べれば採りやすい。運転手として採用した新卒の社員は大型2種免許を取得するまで整備職などで勤務してもらう仕組みだ。8月に会社見学会を昨年より3日増やして6日間開催するほか、専用の採用サイトを新設した。
遠州鉄道はバス運転手の新卒採用を52年ぶりに再開した。これまで中途採用に依存していたが、4月に社員3人が専属となって「採用サポートプロジェクト」を設け、グループ各社に面接対応や労働市場について学ぶ研修を開始した。
建設業界も型枠工など職人の人手不足感が強まっている。加和太建設は今春、職人の育成を検討するプロジェクトチームを社内に設けた。下請け会社と協力して、自社で型枠工や鉄筋工などを養成するカリキュラムを策定できないか検討する。
現場の責任者となる「施工管理技士」も不足しているため、15年春入社から初めて東京での採用活動も始めた。同社が下請けに実施した職人についてアンケート調査では約6割の会社が不足していると回答したという。
マンション販売のヨシコンは静岡市で建設中の20階建てのマンションに、「プレキャストコンクリート」と呼ぶ工場生産の部材を初めて採用した。現場でコンクリートを流し込んで作るよりも、職人が半数程度で済むという。工期短縮にもつながるため、今後建設するマンションでも採用する方針だ。
小売りも店員確保に動いている。遠鉄ストア(浜松市)は毎年2割弱が離職するパート従業員の確保が課題。待遇面を改善し、入社から最初の昇給まで従来は最短で半年かかっていたが、2カ月に短縮した。6月からはパートへの応募をスマートフォンからでもできるようにした。応募には面接日程などを自動で返信し、迅速な採用活動につなげる。