スマホの動画で採用面接、立って働くことができる机…新しい働き方提案

総合スマホの動画で採用面接、立って働くことができる机…新しい働き方提案

少子高齢化で優秀な人材獲得競争が激しさを増すなかでより効率的な採用活動を、立ったままのデスクワークで健康リスクの回避を-。東京・有明の東京ビッグサイトで7月13日から15日まで開かれた「総務・人事・経理ワールド2017」では、こんな働き方の改善に役立つさまざまな提案が行われた。変化する労働環境の中で、新たなサービスを提供する企業を取材した。(高原大観)

スマホの動画で採用面接

米ソルトレークシティーのハイヤービュー社は、動画で採用面接ができるインターネットサービスを提供している。同社は2006年に創業し、このサービスは187カ国600社以上で利用されている。日本では3月からサービスが始まっており、数社が利用している。

応募者はホームページや携帯アプリの画面で、企業側が用意した設問や課題に対して自分の回答を録画する。その後動画を送信し、企業側は送られてきた動画を見て判断するという流れだ。応募者は録画のやり直しなどもでき、納得したうえで送信できる。

企業側は画面上での設問の作成や、応募者から送られてきた動画をもとに評価ができる。この仕組みを採用したことで採用プロセスが効率化され、それまでかかっていた時間の35%を短縮できた企業もあったという。

ハイヤービュー社の日本の代理店がタレンタ(東京都渋谷区)。セールス&マーケティング部門の麻生一英さんは「従来は採用活動で社内で書類を担当者が幹部にまわすなどしていましたが、録画面接ならば動画を社内で共有でき、コメントを付けて評価することで書類をまわす手間が省けます。時間が短縮されることでその分を採用した社員へのケアにまわすことで内定辞退者を減らすこともできます」と話す。サービスを活用した日本の靴小売業の会社は、店舗見学や面接の評価を内定者に返すなどをしたことで内定辞退率を前年の25%から11%に減らすことができたという。

立ち仕事もできる机

北海道大学の鵜川重和助教らが1988年から2008年まで11万人を対象に行った調査によると、座ってテレビを見ている時間の長さが肺がんや心筋梗塞、脳卒中の発症率に関わっていたという。座っている時間が2時間未満の人と比べて4時間以上の人の肺がんの発症率が約30%上がり、6時間以上の人は心筋梗塞や脳卒中を発症する割合が約19%上がっていた。鵜川助教は「ガンに関しては、座ったままでいることで免疫機能が低下し、体内の全身に微弱な炎症が起きて臓器を刺激して発症するのではないかと考えています。また、心筋梗塞や脳卒中に関しては体内の全身に微弱な炎症ができることで動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞などにつながる可能性があります」と話す。

オーストラリアのシドニー大学も同様に座ったままの長時間の作業による健康リスクについて警鐘を鳴らしている。長時間座ったまま作業をすると心筋梗塞や糖尿病などの深刻な病気を引き起こすとし、座ったまま仕事をするのではなく、ときおり席を立って身体を動かすことを推奨している。

米国ミネソタに本拠をおくエルゴトロンは上下に高さを調節することで立って仕事をすることができる机を販売している。昨年から販売を開始したワークフィット-ティーエル(WorkFit-TL)昇降デスクは、幅約95センチ、奥行き約70センチで、両端のレバーを握りながら押すことで上下に高さを調節することができる。約15キロから55キロの重さのものならば上に乗せても同じ力で動かすことが可能だ。

エルゴトロンジャパン(東京都渋谷区)のマーケティングコーディネーター、櫻井聖子さんは「好きなときに立ち、好きなときに座れることで背中や首、腰の痛みを軽減します。慣れるまでは1時間デスクワークした後に1回立ち仕事に切り替えるくらいのペースがおすすめですね。採用していただいた企業ではずっと立ったままにしておく場合もあるそうです。高校でも使っていただいている所があります」と話す。使用している企業からは「慣れると徐々に疲れなくなり、肩こりなどが軽減された」との反応があるという。

「立ち仕事で感じる疲れは筋肉を使っており、体を鍛えることにもつながる、いわば『良い疲れ』ということがいえます。一方で長時間のデスクワークで感じる疲れは精神的な疲労などもあり、筋力の発達につながるわけではなく病気を引き起こす可能性もある『悪い疲れ』ということではないでしょうか」と櫻井さんは説明する。

普通の机の上にPCなどと一緒に乗せるだけで簡単に設置できる。櫻井さんによると、「重さは約25キロです。オフィスの席替えのときも2人くらいで持ち上げてすぐに移動できます」という。