総合同一労働同一賃金 「実現する」6%どまり 会社員に聞く 本社調査
政府が導入をめざす「同一労働同一賃金」について、会社員のほぼ半数が賛成だが、実現すると答えたのは6%――。日本経済新聞社とNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションが共同で実施した働き方に関する意識調査で、会社員の多くが同一労働同一賃金の実現は困難とみていることがわかった。労働力確保のため非正規社員の待遇改善は企業にとって急務だが、実現には高いハードルがある。


政府が6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」で働き方改革の目玉の一つとしたのが、雇用形態に関係なく同じ労働に同じ賃金を払う同一労働同一賃金。同制度を「知っている」と答えた人は全体の47.3%でほぼ半数に上った。
さらに導入の賛否を聞いたところ、「賛成」は48.0%。契約社員・派遣社員など非正規社員では58.4%と半数以上に上った一方、正社員は40.7%だった。正社員と同等の仕事をする非正規社員が待遇格差に不満を抱いているとみられる。
賛成の理由を自由回答で聞くと、「同じ労働なら当たり前のこと」「同じ仕事をしているのに雇用形態で賃金が違うのは不公平」といった意見が目立った。導入が実現すれば「派遣社員の働く意欲の向上につながる」といった声も多かった。
一方で「反対」は12.6%だった。全世代で賛成が反対を上回ったが、特徴的なのは20~24歳が18.4%、25~29歳が17.8%と若い世代が高かった点だ。結果で判断され、頑張っても賃金に反映されにくくなるといった不安があるようだ。
制度導入に前向きな見方が多い半面、実現の可否を聞くと、「実現しない」は32.2%で、「実現する」(6.1%)を大きく上回った。「同じ仕事でも年齢や経験でスキルが異なり、基準が明確にできない」「正社員と非正規社員では責任の度合いが違う」などが理由だ。同一労働を定義する難しさが実現のネックとみているようだ。
また、正社員のやる気をそぐ制度になるとの見方もある。「頑張ってキャリアを積んでも非正規社員と同じ賃金では意欲が下がる」との声があった。「実現しても低い方に合わせた同一賃金になる可能性がある」など正社員の給与引き下げを懸念する指摘もあった。
調査概要 7月13~16日、インターネットを通じて20~60代の会社員に聞いた。総回答数は1028で、内訳は正規社員が607人(59.0%)、非正規社員が421人(41.0%)。男女比はほぼ半々だった。