新卒<はたらく>就活編 インターン、位置づけ整理へ
2017年春卒の採用活動が続くなか18年春卒予定者のインターンシップが近く本格化する。求人意欲の高まりを背景に開催数は増えており、採用選考との境界はわかりにくくなっている。インターンの位置づけを再整理する動きも出てきた。
「実際の仕事を知ることは就活に有利」。学生を前に採用担当者の声に熱がこもる。6月下旬、東京都江東区で開かれたインターン企業説明会。約100の企業・団体が参加し、来場学生も9000人と予想を上回る盛況ぶり。企画した採用支援会社ディスコは「インターンが定着し、企業・学生とも関心が高い」。
神奈川大学3年の男子学生は「大学からも申し込んだが、別に自分でも探したい。就活に役立つと聞いており、周囲でも参加が当たり前になっている」と話した。
●開催企業が増加
インターンが活況だ。経団連指針で17年春卒採用の選考が解禁となった6月1日、就活情報主要3サイト(リクナビ、マイナビ、キャリタス就活)は18年春卒向けにインターン情報の提供を始めた。採用コンサルタントの谷出正直さんの集計によると、同日の掲載企業数は延べ8588社で前年の1・4倍に伸び、1日で完結するワンデー型は5017社と約6割を占める。実施は夏休みの8〜9月がピークだが、来年1〜2月の冬期実施もすでに昨年の2・2倍。17年春卒採用が一段落してからインターン情報を公開する企業も多く、冬期ワンデー型がさらに増えそうだ。
開催が増えている理由は、企業の求人意欲が強く、優秀な学生と早期に接点を持ちたいことが大きい。夏期インターンで人材を見極めて採用選考に活用したり、冬期ワンデー型を一足早い会社説明会として位置づけたりするのが典型だ。ディスコの調査ではインターンに参加した学生の6割は後日、その企業から特別セミナー招待などのアプローチを受けている。谷出さんは「インターンと就活は限りなく近づいてきた」と話す。
経団連や国は、インターンシップは就業体験であり採用選考とは無関係と位置づける。経団連指針では、期間は5日以上で、告知・募集の説明会も開催しないとする。現実との差は広がっている。
ただ、採用目的の「名ばかりインターン」だけが横行しているわけでもない。「働く現場を知らない学生にとっては、たとえ短期でも就業意識の向上につながる効果が期待できる」とみるキャリア関係者は多い。ワンデー型についても、文部科学省は「インターンと呼称できるかどうかは別として、内容によってはキャリア教育に寄与するものもある」(専門教育課)とみる。
●国、財界で検討
こうしたなか、インターンの位置づけを再整理する動きが出てきた。海外ではインターンは採用直結型が主流で、国内でも外資系企業やIT企業が採用している。また、そもそもインターン参加した企業への志望度が高まるのは自然な流れで、ディスコ調査では、インターン参加者の75%はその企業に応募し、そのうち41%が内定を得ている。
また、人材不足に悩む中小企業は採用に直結しないインターンを実施するのはコスト面から厳しい。地域の商工会議所が中心となって合同インターンを行い、学生とのマッチングに効果を上げている例もあり、2月の規制改革会議では「大手とはルールを分け、中小企業は採用直結型を認めてもいいのではないか」という意見も出た。
文科、経済産業、厚生労働省は12日、インターンに関する調査研究協力者会議を発足させた。経団連、日本商工会議所、経済同友会などが参加し、(1)ワンデー型の位置づけ(2)中小企業のインターンのあり方(3)インターン参加者の個人情報の取り扱い−−などの点について検討し、今年度中に方針を取りまとめる。採用活動との関係がどう整理されるかが注目される。