売り手市場、保険料の壁…人材確保、スーパー各社あの手この手 時給アップ、70歳まで働ける

アルバイト・パート売り手市場、保険料の壁…人材確保、スーパー各社あの手この手 時給アップ、70歳まで働ける

人手不足が続いているスーパーマーケットで、アルバイトやパート従業員の時給を引き上げたり、待遇を改善したりする動きが相次いでいる。求職者数を求人数が上回る“売り手市場”が続く中、スーパーは昇級しやすい賃金体系や、働きやすい時間帯設定を導入して、人材の新規獲得や定着率アップを目指している。(大島直之)

今秋“保険料130万円の壁”が106万円に下がり、人手不足も加速…

平和堂が6月にオープンした食品スーパー「フレンドマートかみしんプラザ店」(大阪市東淀川区)は、従業員の採用を楽観視していたものの、目標の150人に届かず99人でスタートした。田井中雅治店長は「求人折り込み広告の配布エリアを毎週変えるなど工夫し、何とか人手を確保した」と振り返る。

大阪労働局によると、近畿地方の5月の有効求人倍率は1・27倍となり、4カ月連続で上昇。今後も伸びるとみられ、製造業など他業種との人材獲得合戦も過熱している。

また、10月に控える社会保険料制度の改定も、人材確保の必要性を高めている。社会保険料の支払いを要する年収の基準が130万円から106万円に引き下げられるため、勤務時間を短縮するパートが増えると予想され、企業は働きやすい制度を設けて労働力を確保しようとしている。

ライフコーポレーションは、地域の複数店舗で働ける契約社員「エリア社員」制度を5月に導入した。パートは契約した店舗でしか働けないが、エリア社員は複数店舗で働く。従業員にとっては活躍の場が広がり、会社側には労働力を適正配置しやすいメリットがある。給与は時給ではなく、新卒社員と同水準の月給制となる。

同社の並木利昭専務は「人手不足は経営の最重要課題になりつつある」と改革の必要性を強調した。

マックスバリュ西日本は、今秋以降にパート給与制度を全面改定するよう検討している。2段階の等級制度を4段階に増やし、昇級しやすくする計画だ。加栗章男社長は「2年間議論してきた。今やらなければ間に合わない。人件費アップは伴うが、それ以上の効果がある」と話す。

関西スーパーマーケットの福谷耕治社長は、「スーパーは7、8割がパートなどの非正規社員に依存し、採用難との戦い。いかに定着率を上げるかが課題だ」と話す。同社はベテランパートの定着率を重視して4年前、パートの定年を65歳から70歳に引き上げた。「新人パートを育てるのはベテランパート」と、戦略的人材に位置づけている。