ハロワ担当者「ストレス耐えられるなら、今のお仕事を」

総合ハロワ担当者「ストレス耐えられるなら、今のお仕事を」

足元の雇用はどうなっているのか。名古屋市名東区のハローワーク名古屋東で実際に仕事を探してみた。

「求人情報提供端末」で年齢を「41」と入力し、希望条件をタッチペンで入力する。名古屋市内で事務・管理職の正社員を選択し、賃金を月額で「20万円以上」にしたら391件も該当した。欲張って「50万円以上」にしてみたら、税理士事務所や配管設計会社など14件が残った。「詳細」をクリックし無理だと悟った。会計事務所で3年以上の実務や配管製図の経験が必須条件だった。

「ストレスに耐えられるなら、今のお仕事を続けたほうがいいですよ」。ハローワーク名古屋東の藤橋真二業務担当次長(55)が言った。同所では職業相談にも乗ってくれる。

愛知労働局によると、リーマン・ショック以降、県内の有効求人倍率はほぼ右肩上がり。前回参院選があった2013年度は1・39倍で、今年5月は1・63倍だ。英国のEU離脱判断や円高などの不安要素はあるというが、藤橋次長は「景気はゆるやかに回復。雇用も改善している」とみる。

ログイン前の続きハローワークの建物を出てきたポロシャツの男性に声をかけた。なぜここに? 「働いていた会社が5月に廃業しちゃったもんで」。男性は苦い表情をみせた。製本会社の製造管理責任者だった。廃業を告げられてから2週間で、38年間勤めた会社はあっけなく幕を閉じた。

人生初のハローワーク。確かに仕事はあった。ただ、通える範囲に、これまで磨いてきた製本の技術を生かせる仕事はなかった。

末の子が大学の薬学部に通っている。70歳くらいまでは、製本会社で働こうと思っていたという。

「60歳でまったく新しい仕事を探すなんてことは想像もしなかった」。ハローワークの門前で男性は嘆いた。