中途道内へのU・Iターン人材照準 新サービス相次ぐ
人手不足が顕在化するなか、道外からのUターン、Iターン就職を支援する新たな取り組みが道内で相次いでいる。人材紹介のリージョンズ(札幌市)は、企業が低価格でU・Iターン対象の求人広告を掲載できるサービスを開始。函館工業高等専門学校(函館市)など4高専は卒業生向けの求人検索サイトの運用を始めた。人口減に直面する自治体も支援サービスや情報発信を強化する。
中途採用の人材紹介を手がけるリージョンズは道内企業に特化した転職サイト「キャリナビ北海道」を本格展開する。サービスの中心は道外の人材を採用したい企業向けの求人広告。8月までをメドに求人社数を約100社に増やし、最終的には常時300社程度の求人情報の掲載を目指す。
観光や食品など道内の主力産業別に企業を分類し、給与や採用条件など基本情報のほか、仕事の内容についても詳しく解説する。広告料は1カ月で約8万円と大手の求人広告サイトの10分の1程度に抑え、道外からの人材獲得を検討する企業の潜在需要を掘り起こす。
学校でも新たな動きがある。函館工業高等専門学校は自校のほか、旭川工業高等専門学校(旭川市)など道内3高専の卒業生を対象に、地元企業の求人情報検索サービス「IターンUターン検索システム」を始めた。
地元で新卒の求人が少ないこともあり、函館高専のIT系の学科の卒業生は「7~8割が道外企業に就職する」(生産システム工学科)。ただ中途は「企業も採用に意欲的」といい、情報提供に乗り出した。2~3年で300社、卒業生約5000人の登録を目指す。
市町村が独自にU・Iターンを支援する取り組みも広がる。芦別市は移住・定住を促す「ふるさと就職奨励金」制度を昨年度から導入。雇用期間が1年を経過するなど一定の条件を満たせば、3年間で計30万円分の地域限定商品券を交付する。今年4月に3人の若者に初めて奨励金の支給を決めた。今後、毎年5人程度の活用を見込む。
帯広市は1月末に十勝管内の27社を詳しく紹介した冊子を発行した。2500部作製し、道外の50の大学に送付したところ「引き合いが相次いでいる」(工業労政課)。
道外からのU・Iターンを支援する動きが広がる背景には、生産年齢人口(15~64歳)の急速な減少がある。国立社会保障・人口問題研究所(東京・千代田)の推計では10年に348万人だった道内の生産年齢人口は20年に295万人に減る見通し。少子化に加え、毎年8000人前後に達する道外への転出超過が減少に拍車をかけている。