「LINEバイト」なら従来の仕事探しを変えられる、登録ユーザー700万超のサービスがもたらす変革とは

アルバイト・パート「LINEバイト」なら従来の仕事探しを変えられる、登録ユーザー700万超のサービスがもたらす変革とは

2015年2月にサービスインし、1年で登録ユーザーが700万人を超えた「LINEバイト」。同サービスを提供する、合弁会社AUBE代表取締役社長の上土 達哉氏は「LINEバイトで実現させたいことが沢山ある」と語る。「LINEバイト」を通して、「仕事探し」はどのように変わっていくのか。詳しい話を聞いた。

登録ユーザー700万人超、「LINEバイト」の狙いを探る

2015年2月にサービスインした「LINEバイト」が、約1年間の実績値を公開したことは記憶に新しい。同サービスは全国約10万件のアルバイト求人情報をLINEアプリ上から閲覧・応募が可能なサービス。2015年8月には、アルバイト応募者と企業採用担当者が応募から採用までのコミュニケーションをLINEで取ることができる「LINE応募」機能を追加し、2016年1月31日時点で登録ユーザーは700万人を超える。

今回、「LINEバイト」を展開するインテリジェンスとLINEの合弁会社AUBE代表取締役社長の上土 達哉氏に「LINEバイト」の狙いと今後の展開を聞いた。

株式会社AUBE 代表取締役社長/株式会社インテリジェンス 執行役員 上土 達哉氏
株式会社AUBE 代表取締役社長/株式会社インテリジェンス 執行役員 上土 達哉氏

 LINEは2014年に戦略テーマを「LIFE」と定め、ライフ領域での個人と法人の距離感を詰め、生活を豊かにするためのサービス展開を進めてきた。「LINEバイト」もその一部だ。では、インテリジェンス側が参画するメリットは何か。

日常にタッチポイントを持ちたいと考えていました」と上土氏。現在のHRサービスは、求職ニーズが顕在化した人々をSEOや広告などによって集客している状況だ。レッドオーシャンな市場で従来型の施策を展開し続けるのは効率的ではない。そのため上土氏は、個人が日常的に利用でき、メリットを感じられるサービスを用意する必要性を感じていたという。

「自社でサービスをつくる選択肢もありますが、プラットフォーマーに勝つのは難しい。既にユーザーとの接点を持っている企業と組むことが妥当だと考えていたこともあり、LINEさんとの提携を決めました」(上土氏)

仕事探しが提供できるバリューを増やしたい

上土氏はLINEとの新サービスをスタートさせるにあたり意識したことがあるという。「単純に人を集めて送客する従来型のサービスではテックに凌駕されてしまう、という危機感を抱いてきました。また、様々な仕事探しのサービスがある現在、新たにサービスを開始するならば社会や顧客に新しい利便性・価値を提供することが重要だと考えてきました」(上土氏)

では、「LINEバイト」は利用者にどのような価値を提供できるのだろうか。また、従来型のサービスとは何が異なるのだろうか?

「大きく2つの視点があります。1つは、バリューの種類を増やし、かつ既存のバリューの幅を広げること。2つ目がより良いマッチングの実現です」と上土氏。

現在、バイト情報を掲載するメディアは、企業にとっては応募者の母集団を構築するものだ。一方、利用者にとっては仕事探しをする場所だと認識されている。だが、両社の本質的な目的を考えると、企業のゴールは優秀な人材の獲得と職場での活躍であり、広告出稿や求人はプロセスの一貫でしかない。同様に、利用者も、仕事探しの先には自分らしい働き方や生き方の実現を望んでいるだろう。

仕事探しや母集団形成は通過点。ですが、現在のサービスはそこでバリューが止まっています。LINEを活用することで、その後のバリューまでつくることができると考えています」(上土氏)。

たとえば、「LINEバイト」は仕事探し以外にもシフト管理や給与振り込みの確認なども可能だろう。シフトのやり取りを、「LINEバイト」上でサービスと提供すれば、企業側のシフト登録も、スタッフ同士のシフト交換も円滑になる。

「これらのサービスは、まだ考案段階ですが、「LINEバイト」に新たなサービスを付加することで、「LINEバイト」が求職時だけでなく日常使いのサービスにできると考えています。これは、私たちの狙いの一つ個人接点の強化にもつながります」(上土氏)

新たな価値の提供については、これからだと上土氏。では、上土氏が並列して掲げる「既存のバリューの幅を広げる」とはどういう意味なのだろうか?

「LINE応募」が広げるバリューの幅とは?

バリューの幅を広げるための仕掛けとして顕著な機能が「LINE応募」だ。応募から採用までのコミュニケーションをLINEで取ることで、採用期間は短縮し、面接率が約2倍、採用率が約2.5倍に跳ね上がった。バイトの採用は平均2週間ほどかかるが、最短1日で採用したケースもあるという。

 「なぜ面接率や採用率が向上したかを考えると、LINEでやり取りをすることでお互いに雰囲気や人となりを理解できるからだと考えています。コミュニケーションが、ある意味で面接をしているようなものでしょう」(上土氏)

もちろん、応募側にとってもメリットがある。LINEで求人情報を探すユーザーがアプリを切り替えることなく、そのままLINEで応募ができるという流れ自体が既に自然なものだ。

「従来は電話かメールからの応募がほとんどでしたが、LINEだと既読が付くため、メールと違って読まれていることがわかるし、見落としがなくなるという声もいただいています。また、一度LINEでやり取りした後ならば電話にも安心して出られるといった意見もあります。総じて、これまで発生していた連絡の行き違いや気まずい思いを解消できているのです」と上土氏。採用企業からも、電話に出てもらえる率が格段に上がったといった声が聞こえているという。

サービス側が情報を提供すべき

提供価値の2つ目、マッチングについて「今の仕事探しのマッチングの在り方は不完全だと考えています」と上土氏は語る。

若年層を中心に多くの求職者は自分の見たことのある・知っている、想像の範囲だけで仕事を探しがちだ。言い方を変えると、自分自身がどのような仕事につけば活躍できるかを知らないケースが多い。

さらに、現在の仕事探しはキーワードを打ち込み検索する方法が主流だ。限られた自分の世界の、さらに言語化できるものだけに絞って、表示された求人情報から選択している状況なのだ。

「サービス側からもっと「あなたが活躍できそうな仕事がありますよ」と、利用者各人に情報を提供し、企業と個人をマッチングできればと考えています。LINEと組むことで、現在のマッチングの在り方を変えていきたいのです」(上土氏)

法人もLINEに慣れる必要がある

確実な成果を出しているLINE応募だが、この機能はサービスインから半年後に提供が開始された。話を聞く限り、「LINEバイト」の中核を担う機能であることがうかがえるが、なぜ後追いのローンチになったのだろうか?

理由の一つに、LINEでのバイト探しというサービスが成立するか先に反応を見たかった点があげられる。加えて、法人サイドがLINEでのコミュニケーションに慣れる必要があった点がある。

「LINEでのコミュニケーションは、ユーザーにとっては身近で使いやすい。しかし応募のやり取りは企業と個人のインタラクティブ性が求められます。企業側が使いこなせないと意味がありません」(上土氏)

いくら利用者がLINEから応募をしても、企業からの反応が遅ければ本末転倒だ。企業側はLINE@を導入して、コミュニケーションを成立させるための体制が必要になる。では、企業はこのハードルをどのようにクリアしているのだろうか。

「LINEのサポートデスクもありますし、インテリジェンスの担当営業もフォローをしています」と上土氏。そもそも、成功報酬型ではなく広告モデルのビジネスを提供しているため、企業と営業のリレーションは取れている。そこでLINEの使い方もフォローしているという。

フランチャイズ店舗などを中心に導入が進んだ

企業側の導入ハードルという観点では、面白いことに「LINEバイト」の導入はフランチャイズの店長やスモールビジネスから進んでいったという。というのも、企業が大きくなればなるほど、既存の採用体制・システムが組まれている。また、数百の店舗を持つ企業の場合は、店舗ごとにアカウントを用意して運用する必要がある。そのため、LINEを新たに取り扱うことに二の足を踏んでしまうのだ。

現在、サービスサイドの仕組みが整ってきているため、大手系の企業が利用を開始した段階だという。「多くの採用担当者が、頭の中ではLINE活用に魅力を感じています。成功事例が増えているので、今後は事例の共有で背中を押してあげられれば」と上土氏は意欲を見せる。

「LINEバイト」でやりたいことはたくさんある

労働人口のうちバイトやパートは1,350万人。LINEユーザー数を考慮し、サービス開始時には1000万人を利用者にすることを目標にスタートした。現時点で登録者は730万人と順調に使用者を増やしている。

だが、一回の利用では意味がないと上土氏。一度利用したユーザーとの関係密度を高め、「また使いたい」と思えるようサービスを展開することが重要だという。

「LINEでバイトを探す行為自体がまだ主流ではない。利便性を伝えると共に“「LINEバイト」を使うと良いことがある”という体験とセットでブランドを認知してもらい、リピートしてもらえるようにしたいですね」(上土氏)

「やりたいことがたくさんある」と繰り返す上土氏。取り組みを開始しているものの1つが潜在層へのアプローチだ。先述の通り、現在のバイト探しは利用者が能動的に検索して初めて成立する。それをLINEのプッシュ通知を活用し、各人が快適だと感じるスパンで提供することで、バイト探しをしていないタイミングでも有益な情報を提供し始めているという。

また、LINEというコミュニケーションツールを活かせば、企業側が一般的に採用条件を突きつけるだけの現在のスタイルから、より柔軟な採用をできるようになるかもしれない。「今は人手が不足している時代。 被雇用側の要望に応えられることが求められていると思います」と上土氏。

「LINEバイト」がこれからどのような展開を見せるのか、引き続き注目していきたい。