グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ

総合グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ

社員の生産性を極限まで高めるには、どうすればいいのか――米グーグルが2012年に開始した労働改革プロジェクトの全貌が明らかになった。

社員同士のコミュニケーションを中心に、その仕事ぶりを徹底的に観察するワーク・モニタリングは、果たして功を奏したのだろうか?

●”What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team“ The New York Times, FEB. 25, 2016

プロジェクト・アリストテレスとは

上の記事によれば、米グーグル(持ち株会社に移行後の正式社名は「アルファベット」)は2012年に生産性向上計画に着手した。

この計画は「プロジェクト・アリストテレス(Project Aristotle)」と呼ばれ、同社の「人員分析部(People Analytics Operation)」によって実施された。

グーグル社内には様々な業務に携わる数百のチームがあるとされるが、その中には生産性の高いチームもあれば、そうでないところもある。同じ会社の従業員なのに、何故、そのような違いが出るのか?

これを様々な角度から分析し、より生産性の高い働き方を提案することがプロジェクト・アリストテレスの目的だった。

元々、様々なデータを分析するのはグーグルの得意技だ。同社には、こうした分析作業を手掛ける統計の専門家やエンジニアが多数働いているが、プロジェクト・アリストテレスでは、彼ら以外にも組織心理学や社会学の専門家まで、多彩なエキスパートを集って分析作業に当たらせた。

共通するパターンが見つからない

分析の対象として、特に重視したのは「チームワーク」であったという。

ビジネスがグローバル化し、複雑化の度合いを深めている今日、多くの業務は単独の従業員ではこなしきれない。どうしてもチームによる共同作業が多くなるからだ。

このためプロジェクト・アリストテレスでは、社内の様々なチームを観察し、上手く行っているところと、そうでないところの違いを明らかにしようとした。

たとえば「同じチームに所属する社員(チームメイト)は、社外でも親しく付き合っているか」「彼らはどれくらいの頻度で一緒に食事をしているか」「彼らの学歴に共通性はあるか」「外向的な社員を集めてチームにするのがいいのか、それとも内向的な社員同士の方がいいのか」「彼らは同じ趣味を持っているか」など、多岐に渡る観察を行った。

人員分析部では、これらの観察結果を図式化して、そこから業務目標を上回るチームに共通するパターンを見出そうとした。しかしパターン抽出が得意なはずのグーグルなのに、自らの社員の労働分析からは、目立ったパターンを見出すことができなかったという。

たとえば同じく生産性の高いチームなのに、片方は「社外でも仲良く付き合う友達同士」のような関係であり、もう片方は「まともに会話するのは会議室の中だけで、そこを出ればアカの他人」というような関係であった。

また、あるチームでは、強いリーダーのもとに階層的な人間関係を築いていたのに対し、別のチームではもっとフラットな人間関係を敷いていた。それでも両者の生産性に、ほとんど違いは見られなかったという。

正反対のやり方でも上手くいく

結局、上のような「チーム編成の在り方」と「労働生産性」の間には、ほとんど相関性がないのではないか――そう考えたグーグルの人員分析部は、今度はチームのメンバーが従っている「規範(norm)」にこそ生産性のポイントがあるのではないかと考え、そこを洗い出すことにした。

ここで規範とは、チーム内で共有する「暗黙のルール」や「行動規準」、あるいは「チーム・カルチャー」のようなものを指す。

しかし、この点でも目立ったパターンは抽出されなかった。

たとえば、あるチームでは、会議中にリーダーがチームメイト全員に等しく発言する時間を与え、それを別のチームメイトが途中で遮ることを許さなかったのに対し、別のチームでは互いに発言の途中で割って入るのが常態化していた。

また、あるチームでは仕事時間中に雑談したり、他人の噂話をしたり、週末のプランを話すなど私的なコミュニケーションが交わされていたが、別のチームでは「オフィス内では仕事に専念し、私語は厳禁」といった雰囲気が形成されていた。

このように数百に上るチームが各々従う規範を観察したが、そこから成功するチームに共通するパターンを見出すことはできなかった。それどころか、同じく生産性の高いチームなのに、全く正反対の規範に従っているケースも珍しくなかったという。

共通するパターンが見つからない

分析の対象として、特に重視したのは「チームワーク」であったという。

ビジネスがグローバル化し、複雑化の度合いを深めている今日、多くの業務は単独の従業員ではこなしきれない。どうしてもチームによる共同作業が多くなるからだ。

このためプロジェクト・アリストテレスでは、社内の様々なチームを観察し、上手く行っているところと、そうでないところの違いを明らかにしようとした。

たとえば「同じチームに所属する社員(チームメイト)は、社外でも親しく付き合っているか」「彼らはどれくらいの頻度で一緒に食事をしているか」「彼らの学歴に共通性はあるか」「外向的な社員を集めてチームにするのがいいのか、それとも内向的な社員同士の方がいいのか」「彼らは同じ趣味を持っているか」など、多岐に渡る観察を行った。

人員分析部では、これらの観察結果を図式化して、そこから業務目標を上回るチームに共通するパターンを見出そうとした。しかしパターン抽出が得意なはずのグーグルなのに、自らの社員の労働分析からは、目立ったパターンを見出すことができなかったという。

たとえば同じく生産性の高いチームなのに、片方は「社外でも仲良く付き合う友達同士」のような関係であり、もう片方は「まともに会話するのは会議室の中だけで、そこを出ればアカの他人」というような関係であった。

また、あるチームでは、強いリーダーのもとに階層的な人間関係を築いていたのに対し、別のチームではもっとフラットな人間関係を敷いていた。それでも両者の生産性に、ほとんど違いは見られなかったという。

正反対のやり方でも上手くいく

結局、上のような「チーム編成の在り方」と「労働生産性」の間には、ほとんど相関性がないのではないか――そう考えたグーグルの人員分析部は、今度はチームのメンバーが従っている「規範(norm)」にこそ生産性のポイントがあるのではないかと考え、そこを洗い出すことにした。

ここで規範とは、チーム内で共有する「暗黙のルール」や「行動規準」、あるいは「チーム・カルチャー」のようなものを指す。

しかし、この点でも目立ったパターンは抽出されなかった。

たとえば、あるチームでは、会議中にリーダーがチームメイト全員に等しく発言する時間を与え、それを別のチームメイトが途中で遮ることを許さなかったのに対し、別のチームでは互いに発言の途中で割って入るのが常態化していた。

また、あるチームでは仕事時間中に雑談したり、他人の噂話をしたり、週末のプランを話すなど私的なコミュニケーションが交わされていたが、別のチームでは「オフィス内では仕事に専念し、私語は厳禁」といった雰囲気が形成されていた。

このように数百に上るチームが各々従う規範を観察したが、そこから成功するチームに共通するパターンを見出すことはできなかった。それどころか、同じく生産性の高いチームなのに、全く正反対の規範に従っているケースも珍しくなかったという。

自らの健康状態を告白したリーダー

そこでグーグルの人員分析部では、2014年後半に当時の社員5万1000人の中から、チーム・リーダー格の有志を募って、彼らにプロジェクト・アリストテレスの主旨や調査結果を伝えた。そして彼らに対し、自らのチーム内に「心理的安全性」を育むための具体策を考えるよう促した。

そうしたチーム・リーダーの一人に、ある日系アメリカ人の男性がいた。彼を中心に結成されたチームはそれまでなかなか生産性が上がらず、彼もその事に悩んでいた。

そこで彼は人員分析部から手渡された調査票を使って、チームメイトへのアンケート調査を実施した。調査票には、「社内におけるチームの役割や目的」、あるいは「自分たちの仕事が会社に与えるインパクト」などを、どこまで理解しているかを評価する項目が並んでいたが、これらの点について彼のチームメイトたちが下した自己評価は、いずれも極めて低かった。

これに衝撃を受けたリーダーはチームの全員を集めて、インフォーマルなミーティングを開いた。そこで彼は「これから君たちの知らないことを打ち明けよう」と断った上で、自身がスピードは遅いが転移性の癌に冒されていることを告白した。

しばらく沈黙が続いた後、チームメイトの一人が立ちあがって自分の健康状態を打ち明けた。そこから堰を切ったように、チームのメンバー一人ひとりが自らのプライベートな事柄を語り始め、それが終わるころには、自然に今回のアンケート結果についての議論(つまりチーム内のモラルを高めて、生産性を高めるための議論)へと移行していたという。

「本来の自分」でいられる職場を目指して

今回、プロジェクト・アリストテレスの結果から浮かび上がってきた新たな問題は、個々の人間が仕事とプライベートの顔を使い分けることの是非であったという。

もちろん公私混同はよくないが、ここで言っているのは、そういう意味ではなく、同じ一人の人間が会社では「本来の自分」を押し殺して、「仕事用の別の人格」を作り出すことの是非である。

多くの人にとって、仕事は人生の時間の大半を占める。そこで仮面を被って生きねばならないとすれば、それはあまり幸せな人生とは言えないだろう。

社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。

これがプロジェクト・アリストテレスから導き出された結論であった。