東京都、看護人材の不足に先手 ハローワークと連携

総合東京都、看護人材の不足に先手 ハローワークと連携

東京都は看護人材の確保策を強化する。ベテラン看護師が再就職しやすくする仕組みのほか、訪問看護に特化した就労支援も始める。新卒採用だけでなく、資格はあっても働いていない人材などの掘り起こしに力を入れるのが特徴。高齢者の増加に伴い、全国的に看護師不足が深刻になると予想される。都は需要見通しを再検討する予定だが、先行して人材確保を急ぐ。

都は「セカンドキャリア支援事業」の名称で、2016年度から看護職員の定年後の再就職支援を始める。医療機関ごとに求められる技能が多様化していることから、求人・求職のマッチングに加え、新しい職場で必要な知識を取得するための講習会も開く計画だ。

都は資格を持ちながら看護職として働いていない潜在的な人材を掘り起こすため、1~7日のコース別の研修をすでに始めている。豊富な経験を持つシニア人材を含め、有資格者の就労を後押しする。

また、高齢者の増加に伴い、都内で在宅医療の患者が増加していることにも対応する。16年度から人材育成の計画を立てた訪問看護ステーションに研修費や人件費の一部を補助する。病院とは異なるノウハウが必要な訪問看護を広めていく。

昨秋から国のハローワークと求職情報の共有化も進めている。求人・求職情報を持つ都の「ナースプラザ」と、それぞれのデータを相互に参照できるようにし、求職者がより自分の条件に合った仕事を探しやすくした。都の担当者は「ハローワークしか持っていない情報も加わり、利用者の選択肢は増えている」と話す。

政府によると25年に全国で約3万~13万人の看護人材が不足すると見込まれる。各地で看護系大学が新設されるなど供給は増えているが、追いつかない。都内の14年の看護職員数(保健師や助産師を含む)は約12万人。都は11年時点で約2600人の不足数が15年には解消するとの見通しを示していたが、現実には人手不足が解消されず、需要見通しの再検討を予定している。