17年卒採用はや号砲 IT・ベンチャー、大手に先行

新卒17年卒採用はや号砲 IT・ベンチャー、大手に先行

IT(情報技術)やベンチャー企業で大学新卒の採用活動が早まっている。DeNAが2015年12月から2017年春卒業予定の学生に内定を出し始めたほか、無料対話アプリのLINE(東京・渋谷)も1月に内定を出す見込み。16年は大手企業の選考開始が前年より2カ月早まるが、ベンチャーはこれに先んじて採用活動を始め、優秀な人材の囲い込みを進める。

■指針に縛られず

 

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経団連は17年卒の採用活動について、約1300社の加盟企業向けに16年卒より2カ月前倒しして6月から選考を解禁する指針を公表している。ITやベンチャーの多くが経団連に加盟しておらず、指針に縛られずに採用活動をする動きが強まっている。

DeNAは昨年12月1日から17年卒の採用活動を始めた。すでに数人に内定を出した。大企業の選考時期が2カ月早まるため「内定のピークは1~2月と例年より1カ月ほど早まる」とみる。主力のスマートフォン(スマホ)向けゲームからヘルスケアや自動車関連など事業を広げており、学生を早めに囲い込む。

 

人材の囲い込み競争が激化している(2015年8月、選考活動が解禁され受付に並ぶ大学生)=共同
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人材の囲い込み競争が激化している(2015年8月、選考活動が解禁され受付に並ぶ大学生)=共同

LINEも昨年12月からプログラム開発などの技術者の選考を始めており、1月には内定を出す。新サービス開発のための採用も1月下旬に応募を締め切り、2~3月に面接をする。

楽天は昨年11月下旬から採用活動を始め、第1弾として米ボストンの日本人留学生向け合同就職説明会に参加した。グローバル人材を獲得しようと同12月から筆記試験や面接などを始めている。

スマホ向けゲームを手がけるドリコムは2月上旬にも内定を出す。17年卒の採用活動から複数回の面接選考を廃止。2回のインターンシップ(就業体験)で学生の資質をみて選考期間を縮める。

リクルートワークス研究所の調査によると、17年卒の採用が「増える」と回答した企業は13.4%と「減る」の4.2%を大きく上回る。16年卒より増やす企業は多くなっており「企業の採用意欲はさらに高まる見通し」と同研究所は分析する。

■つなぎ留め課題

経団連の加盟企業でも採用活動を早める動きが出ている。ソフトバンクグループは16年卒から通年採用を導入した。留学生や既卒者など幅広い人材を募るのが目的で17年卒の採用活動も1月から本格化する。経団連の指針が定めた時期より早いが「学業優先という指針の趣旨に通年採用は対応している」としている。

もっとも、ベンチャー企業が早期に学生に内定を出しても、6月から採用活動を本格化する大企業に学生が流れる可能性がある。実際、首都圏の大学生は「大企業が本命だが、まずはベンチャーで内定を取って安心したい」と語る。ベンチャーにとってはこうした内定学生をどうつなぎ留めるかが課題となる。

教育研修のシェイク(東京・千代田)は17年卒採用から「入社3年内にグループ会社の社長に就任させる」とアピール。起業志向の高い学生からの問い合わせが相次ぎ、すでに2人に内定を出したという。