転職市場が活況…人手不足、中小の新卒採用難

中途転職市場が活況…人手不足、中小の新卒採用難

転職市場が活況だ。少子化や景気回復による人手不足が背景にあるが、今年は大手企業の新卒の選考開始時期が繰り下がった影響で中小企業が採用に苦戦している事情も重なり、人材の奪い合いが過熱している。(鷲尾龍一)

 就職情報会社リクルートキャリアは19日、大阪市の国際会議場で「はじめての転職フェア」を開いた。関西で転職希望者に絞った大規模な就職説明会を主催するのは初めてで、約60社が参加した。

 休憩スペースで座っている来場者に、採用担当者の方から次々と声をかけるなど会場は熱気に包まれ、化粧品メーカーに就職して3年目の女性研究員(27)は「転職は技能がないと厳しいと思っていたが、企業の熱心さに驚いた」と話す。

 特に懸命なのは中小企業だ。例年、大手の選考が終わってから実質的な採用活動を行ってきたが、今年は経団連の方針で大手の選考解禁日が4月から8月に繰り下がり、日程が重なってしまったためだ。

 マンション販売を手掛ける大阪市の中堅企業は新卒採用数が計画の2割にとどまり、20歳代の転職希望者で補おうと参加した。担当者は「社会人を経験しているので、最低限のマナーも身に付いている」と語る。

 大阪商工会議所の10月の調査では、16年3月新卒採用を行った企業のうち、3社に1社が「予定人数を確保できていない」と回答しており、新卒の採用難を転職市場で補おうと中小企業は躍起になっている。

 一方、11月の近畿2府4県の有効求人倍率が1・17倍となるなど人手不足が続いており、一定の新卒者を確保できた大手企業や著名企業も中途採用に貪欲だ。星野リゾートは「多様な人材を集め、会社を成長させる」として100人超の転職者を採用する予定で、有線放送大手のUSENは営業職の中途採用枠を未経験者にも広げた。

 転職サービス「DODA」によると、11月の中途採用者の求人数は、12か月連続で増えた。1年前に比べて4割も増え、キャリアアップを目指す転職希望者の拡大にもつながっている。

 こうした中、友人関係やビジネスの人脈などを生かした「リファラルリクルーティング」と呼ばれる手法も広がりつつある。知人に中途入社を勧める制度を導入したアビームコンサルティング(東京)は「最も会社を知る社員がふさわしい人材を誘う」(担当者)ため、面接の突破率は5割を超え、定着率も高いという。