総合ユニクロ「週休3日制」で働く選択肢は広がるか
人材の活用(4)
10月の有効求人倍率は1.24倍で、23年ぶりの高水準となり、雇用状況は改善しています。ただ、これを裏返すと人材確保が難しくなっているということです。
人材確保のためには、自社の魅力をアピールするとともに、応募者のニーズをとらえることも必要です。あるコンサルティング会社が行った調査によると、アルバイト・パート先の選定に際し重視した点は、「シフトが自分の都合に合いそう」が1位で、「家や学校から勤務地までの距離が近い」が2位だったそうです。正社員の場合は、優先順位が変わってくるのでしょうが、働く場所や時間の融通がつくとしたら歓迎ですね。
地域限定正社員を対象に10月から導入
育児や介護、資格試験等のためにフルタイムで働くことができない場合は、アルバイトやパートという働き方が現状の選択肢です。ここにきて新しい動きがありました。
衣料品店、ユニクロを展開するファーストリテイリングが、地域限定正社員を対象に週休3日制を10月から導入したのです。
1日の労働時間は8時間から10時間に増やし、休日は土日祝日以外で取得するといった条件があるものの、標準の労働時間が導入前も導入後も40時間と変更がなく、給与水準は変わらないとのことです。選択肢が広がったということですね。多様な人材を確保する手段として成功すれば、取り入れる企業も増えるのではないでしょうか。
「どこでもオフィス」の普及はまだこれから
一方、「テレワーク」という言葉があります。ITを活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

まず頭に浮かぶのが在宅勤務ですが、それだけではありません。新幹線やカフェでノートパソコンを使って仕事をする人を見たことはないでしょうか。社外でできることは、メールチェックや文書作成だけではありません。各種通信手段の発達でオフィスにいなくても、社内のサーバーやクラウド上のデータにアクセスできるようになりました。スマホでのテレビ会議もできます。
技術的課題はほぼ解消されていますが、総務省が7月に発表した「通信利用動向調査」によると、「テレワークを導入している」と答えた企業の割合は11.5%と、「どこでもオフィス」の普及は一部にとどまっています。
人材コンサルティング会社のディスコ社長で、積極的にテレワークを取り入れている夏井丈俊氏はこう分析します。
「依然多い紙の資料、それにセキュリティーや労務管理が課題ですね。特に重要なのが労務管理です。これまでは部下が同じ空間で働いていた。一生懸命働いているとか、さぼっているということが把握できた。異なる空間で働くテレワークでは、従業員の働きぶりをどう評価するのかが重要です」
一人で何社も掛け持つ「スキルスタッフ」も可能に?

オフィスという一定の物理的空間でなくても働くことができる環境は整ってきています。では未来の働き方として、どのような可能性があるのでしょうか。夏井氏は予想します。
「テレワークの環境が整うことで、会社は社外からも『スキルを買う』ことが容易になります。そうすると、一人が何社も掛け持つ『スキルスタッフ』のような雇用形態も出てくるかもしれません」
働く時間や場所がフレキシブルになるということは働きやすくなるということです。しかし同時に参加できる人も増え、競争が激しくなるということ。終身雇用という制度で守られてきた日本人にとっては厳しい変化かもしれませんが、実力をつけ、将来も仕事で輝けるようになりたいものです。