総合企業の採用担当者に聞く「今年度の新卒採用活動における満足度」
企業の採用活動を支援するサイト「JOBRASS新卒」を運営する株式会社アイデムの「人と仕事研究所」では、2016年度の新卒採用を行う企業の新卒採用業務担当者1000名を対象に調査を実施した。まず2016年度新卒採用活動の10月1日時点での状況については、広報活動やその準備も含めて「現在行なっている」と回答した企業が46.8%、「まだ何も行なっていない」企業が25.6%となった。
一方、「既に終了している」と回答した企業は27.6%で、6月1日状況調査から8.8ポイント増加したが、まだ採用活動を継続している企業が半数近くに上っている。
従業員規模別に見ると、規模が小さくなるにつれ「まだ何も行なっていない」企業の割合が増え、「29人以下」51.5%、「30~99人」27.2%、「100~299人」22.1%となっている。企業規模によっては、これからが採用活動のスタートとなっているようだ。
■2016年度新卒採用活動の終了時期
「2016年度新卒採用活動の状況」において、「現在行なっている」または「まだ何も行なっていない」と回答した企業には採用活動の終了予定時期を、「既に終了している」と回答した企業には終了時期を聞いた。2016年度の新卒採用活動を「現在行なっている」または「まだ何も行なっていない」と回答した企業では、採用活動の終了予定時期を「2015年12月末頃まで」としている割合は、合計で52.8%。約半数の企業は年内に終わらせたい意向があるものの「2016年3月末頃まで」とする回答も28.7%と多く、今年度(2016年3月末まで)一杯かかると見込んでいる企業も少なくない。従業員規模別では、規模が小さくなるほど今年度一杯かかる見込みとしている。
2016年度の新卒採用活動を「既に終了している」と回答した企業では、内定通知解禁前となる「2015年9月末頃まで」に終了した割合が39.9%と最も多い。採用選考解禁以降となる「2015年8月末頃まで」「2015年9月末頃まで」の合計は62.0%となった。
■2016年度新卒採用活動のスケジュール
2016年度の新卒採用活動のスケジュールについて、「学校訪問や学生との接点づくり等、採用活動開始前の準備時期」「エントリー・応募受付開始時期」「面接選考等開始時期」「内定(内々定を含む)を出し始める時期」を聞いた(それぞれ、「わからない」と回答した者を除いて集計)。
「学校訪問や学生との接点づくり等、採用活動開始前の準備時期」は、「行なう予定はない」と回答した企業が最も多いが、それを除くと「2014年12月以前」を挙げた企業が多くなっている。「エントリー・応募受付開始時期」は、「2015年3月」「2015年4月」が高くなっている。「面接選考開始時期」は、「2015年2月」から「2015年5月」にかけて徐々に回答割合が上昇し、その後一旦減少するものの、採用活動解禁の「2015年8月」でピークを迎え「2015年10月」まで続く。
また、「2015年12月」「2016年1月以降」の回答割合も再度高まっている。「内定(内々定を含む)を出し始める時期」は「2015年3月」頃から上昇を始め、「2015年8月」をピークに徐々に下降し始めるが、「2016年1月以降」との回答割合も高くなっている。
経団連の「採用活動に関する指針」で定められた期間よりも前に活動を行なう企業、指針を守る企業、指針を守る企業の後に行なう企業と、採用活動を行なう時期にズレが生じ、その結果ピークが見えにくくなっている。
■2016年度新卒採用活動の満足度
2016年度の新卒採用活動における満足度を、「採用活動全体」「応募者の数」「応募者の質」「内定者の数」「内定者の質」の5軸に分けて聞いた。「採用活動全体」を見ると、満足計(「満足」と「どちらかと言えば満足」の合計/以下同)の割合は38.7%だった。一方、不満計(「不満」と「どちらかと言えば不満」の合計/以下同)は21.9%、「どちらとも言えない」は39.4%となっている。
応募者について満足計の割合を見ると、「応募者の数」は46.8%、「応募者の質」は40.0%となっている。内定者について満足計の割合を見ると、「内定者の数」は46.8%、「内定者の質」は53.9%に上っている。従業員規模別で見ると、満足計の割合は規模が大きくなるほど概ね高まる傾向が見られた。
■現在の新卒採用の課題
<学生について>
◆学生が、企業への志望度が低いままあれこれ応募していること。(その他のサービス業/従業員規模30~99人)
◆学生がネームバリューに引っ張られてしまうこと。(その他の業種/従業員規模30~99人)
◆「どこでも良いから、まず内定!」と考えている学生が多いこと。もっと、自分に合った職種・業種を決めた方が良い。(情報サービス業/従業員規模300~999人)
◆判で押したような考え方をする学生が多く、個性的な発想や思考ができる学生が少ないこと。(小売業/従業員規模300~999人)
◆現在の学生は、学生時代でなければ経験できないことへのチャレンジ精神に欠けること。学生時代をただ単なる就職のためのステップと考えているように見受けられる。(製造業/従業員規模300~999人)
◆学生の質が低下していること。能力のばらつきが大きいと感じる。(医療・保健・福祉/従業員規模100~299人)
<新卒採用のあり方について>
◆「新卒一括採用」という採用手法を見直す必要があると考えている。志向があえば、在学中から働いてもよし。一度働いてみて、「違う」と思えば離職し、もう一度違う企業にチャレンジしてもよし。終身雇用/年功序列という雇用が崩壊している以上、採用方法も変わっていく必要があると感じる。(製造業/従業員規模1,000人以上)
◆一律に全企業が同じように採用活動をするのはおかしい。学生はきっちり勉強して卒業し、海外留学やボランティア活動等をしてもいいと思う。その後でじっくり就職活動をすればよい。中途も新卒も関係ない。(その他の業種/従業員規模30~99人)
◆採用に関わる時期を変動させるのは好ましくない。そもそも規制の対象とすべきでなく、自由に行なえばよいと思う。(建設業/従業員規模30~99人)
◆新卒にこだわるという、日本の企業体質自体が問題だと思う。(医療・保健・福祉/従業員規模29人以下)
◆多くの企業で、採用活動は「人数ありき」になっていること。将来的に「ミスマッチ」という理由で離職者が出ることは残念である。(製造業/従業員規模100~299人)
◆短い時間の面接だけでは、必ずしも正しい判断ができないこと。(製造業/従業員規模1,000人以上)
◆内定通知は企業側にとって雇用契約の一種とみなされるのに対し、学生の立場ではまだ自由選択とされていること。双方に同様のリスクを課す必要があると思う。(その他のサービス業/従業員規模1,000人以上)
【調査概要】
調査対象:2016年度の新卒採用を行なう企業の新卒採用業務担当者
調査方法:株式会社クロス・マーケティングの登録モニターを利用したインターネット調査
調査期間:2015年10月1日~5日
有効回答数:1000名