女性雇用ワーキングマザーの強い味方「在宅勤務制度」の実情とは?
出産を経て子育てをしながら働く女性は、家事や育児で何かと制約が多く、働き方が制限されることもしばしば。そんな女性たちにとって魅力的なのが柔軟な勤務制度。
なかでも、「在宅勤務」は通勤にかかる時間を有効に使える勤務形態。「いずれは結婚して、出産したあとも働きたい」と考える20代女子が転職を考える際にも、チェックしておきたい制度です。
ネット環境が充実している昨今、在宅勤務をとりまく状況もずいぶんと変化しています。子育てをしながら働く「ワーキングマザー」の実情に迫りながら、在宅勤務に関する企業の取り組みもあわせてご紹介します。
なぜ在宅だとうれしい?ワーママの過酷な一日
まずは、1歳くらいの子供をもつ、フルタイム勤務のワーママの一日の例を見てみましょう。
- 6時 起床~洗濯、朝食の準備
- 6時30分 子供を起こし、朝食
- 7時 夫が洗濯物を干す間に子供の着替え
- 7時30分 夫が子供を保育園へ連れていくのを見送って、朝食の後片付け、自分の身支度
- 7時50分 出勤(通勤時間約1時間)
- 9時~17時30分 仕事
- 18時30分 保育園へ子供をお迎え~スーパーで買い物
- 19時 帰宅~洗濯物の取り込み、夕食の準備
- 19時30分 夫が帰宅、夕食
- 20時15分 夫と子供が入浴中に、夕食の後片付け
- 21時 子供に絵本を読んで、寝かしつけ(そのまま自分も寝てしまう場合も…)
- 22時 洗濯物をたたむ、次の日の準備
- 24時 就寝
いかがでしょうか。なんとなくわかっていたとは言え、一息つく暇もないスケジュールに気が遠くなった方もいらっしゃるのでは。自分の時間は子供が寝て家事がひと段落した後に、取れてもせいぜい1時間~2時間ほど。その時間に残った仕事を片付けるワーママも多いのだとか。
さらに、子供がなかなかご飯を食べてくれなかったり、ほっと一息ついたらぐずって授乳したりと、思い通りに行かないこともしょっちゅうです。在宅勤務であれば、少なくとも通勤にかかる時間(上記例では約2時間)を仕事や他の家事などにあてることができ、忙しいワーママには喉から手が出るほど欲しい「自分の時間」を捻出できるのです。
日本企業でも増えている、在宅勤務制度
ワーママをはじめとして、社員の多様な働き方を推進するために、在宅勤務制度を導入する日本企業も増えつつあります。そこで、自宅を含む自分の好きな場所で仕事ができる「在宅勤務制度」を取り入れている事例を見てみましょう。
週に3回までOK!日本マイクロソフト社
日本マイクロソフト社では、2011年2月から、全社員を対象に在宅勤務制度を導入しています。パソコンとネット環境があれば、自宅に限らずどんな場所でも仕事ができる、いわゆる「テレワーク」を推奨しています。在宅勤務者との連絡には、メッセージング・オンライン会議ツール(Skype For Business)を活用して、顧客からの外線電話であってもオフィス外にいる担当者につなげることができます。
育児、介護など理由を問わず週に3回まで利用できますが、週1回程度の割合で利用し、集中力が必要な作業にあてるなど生産性の向上に役立てる人が多いのだとか。
メリハリのある働き方をめざして!ベネッセホールディングス
ベネッセホールディングスでは、2009年度から一定の職階以上の正社員を対象に、在宅勤務制度を導入しています。ベネッセにおける在宅勤務の位置づけは、あくまでもワークライフマネジメントの一環。「社員がメリハリをきかせて生産性の高い仕事ができるようになること」「組織全体の業務の効率化・生産性の向上が進むこと」「社員の生活の充実により、仕事の中での価値創造力アップがされること」を狙いとして、月に5回を上限に利用することができます。
在宅勤務の可否は、業務内容に応じて事業部ごとに判断されており、利用者からは、「在宅勤務日に適した仕事を集中的に行うことで、結果としてクオリティの高い仕事ができた」「日ごろから在宅日にやったほうが効率的な仕事を仕分けするようになり、業務のメリハリがつけられるようになった」と生産性のアップを実感する声が多く聞かれます。
さらには、「一緒に食事を摂るなど子供と過ごす時間が増え、子供も喜んでくれた」「通勤時間が削減されることで、精神的・肉体的疲労が減った」など、個々のワークライフの充実にも効果が出ています。
「短い時間でも効率的!」制度を利用するワーママの声
ここで、実際に在宅勤務を利用しているワーママの声をご紹介しましょう。
現在2歳の子供がいる編集職のAさんは、9:30~16:30の時短勤務、職場への通勤は保育園を経由すると片道1時間30分ほど。会社にはどこでもオフィスと同じ環境で仕事のできる「テレワーク」のシステムが整っており、月に1~2回程度、自宅で業務を行っているそうです。
夫は家事や育児に協力的で子供が病気になったら交代で休むそうですが、自分が休まない日も在宅勤務にすることで、夫が看病する傍ら子供の様子を見ながら安心して仕事に取り組め、精神的にも助かっているのだとか。
また、保育園の行事や子供の通院などで半休をとると、3時間程度の勤務のために同じ時間の通勤時間がかかってしまい非効率。そんなときに在宅勤務を柔軟に活用することで、仕事にかけられる時間を増やせるとのこと。「在宅勤務は、短い時間であっても仕事に打ち込め、効率的に仕事を進められる」と身をもって感じているそうです。
政府も推奨、これから注目の「テレワーク」
このワーママが利用しているような「テレワーク」スタイルの在宅勤務制度は、ワークライフバランスの実現に効果的で、導入企業も増えつつあります。2013年6月には、政府が『週1日以上在宅勤務を行う「在宅型テレワーカー」の数を2020年には労働人口の10%以上にする』と宣言しています。現状ではまだ約4.5%と目標には遠いですが、中小企業にも導入しやすいように、政府や自治体から助成金が支給されるなどバックアップ体制が整えられています。
今の職場で大丈夫?将来を見据えた目線で企業をチェック
「在宅勤務だと社員が管理できない」といった否定的な意見もありますが、働く女性にうれしい制度であることは確か。将来、結婚して子供が生まれてもキャリアを積みたい、と考えているなら、「柔軟な働き方ができる制度は整っているだろうか?」そんな目線で企業をチェックすることも大切です。