総合ふるさとテレワーク実証事業が本格始動!新しい働き方は「地方創生」につながるか
地方で暮らしながら情報通信技術を活用し、都会の仕事をする「ふるさとテレワーク」。この推進を図るため、総務省の「ふるさとテレワーク実証事業」が、全国15地域で本格的に動き出した。15地域では、新設された拠点に都会のIT企業などが社員を派遣、都会と同様に仕事ができる環境を構築するとともに、地域の事情の適したビジネスモデルの検証を進めている。
総務省は東京一極集中を緩和し、地方へ向かう新しい人の流れを作ろうと力を入れているが、場所にとらわれない新しい働き方が地方を救えるのだろうか。
執筆:政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)
ITの目覚ましい進歩により、仕事の場所は選ばなくなった
場所にとらわれない働き方に注目
テレワークは「tele=離れたところ」と「work=仕事」を合わせた造語で、場所にとらわれない働き方を意味する。社員が自宅やサテライトオフィスで仕事をする雇用型と、自営業者や個人が仕事を受注する非雇用型に分けられる。
考え方や仕組みは都心のオフィス不足が深刻化した1980年代末から知られていたが、2011年の東日本大震災で出社できない人が相次ぎ、再び注目を集めるようになった。テレワークを推進するためのITの進歩も追い風だ。
国土交通省の調査によると、週に8時間以上働いた在宅テレワーカーは、14年で550万人。震災直後に急増した反動もあり、2年続けて減少しているものの、長い目で見ると着実に増加しているとみられている。
政府は20年までにテレワーク導入企業を12年の3倍に増やす一方、雇用型在宅テレワーカーの人口比率を10%以上とする目標を掲げている。このため、11月をテレワーク月間とし、推進を呼びかけている。
背景に潜む地方の人口減少
ふるさとテレワークは、地方にテレワークセンターやサテライトオフィスを設置、都会の仕事を地方へ移すことを目指して考案された。14年12月に総務省研究会から提言を受け、スタートしたのが、全国15地域の実証事業だ。約180の協力会社から延べ1,000人が地方へ移り、実証作業を進めている。
| 実施地域 | 事業名 | 提案者 |
| 北海道北見市、斜里町 | オホーツクふるさとテレワーク推進事業 | 北見市、斜里町、北見工業大、ワイズスタッフなど |
| 北海道別海町 | 別海町の地方創生を実現するテレワーク利活用実証 | Be-WAC、別海町、北海道、日本マイクロソフトなど |
| 岩手県大船渡市 | 大船渡市地域人材育成拠点整備事業 | NTTコミュニケーションズ、大船渡市、富士ソフトなど |
| 山形県高畠町 | 廃校再生ふるさとサテライト・プロジェクト | 高畠町、プラネックコミュニケーションズ、山形大工学部など |
| 福島県会津若松市 | マッチングシステムによる高付加価値業務のテレワーク化 | 会津若松スマートシティ推進協議会、会津若松市など |
| 群馬県高崎市 | ふるさとテレワーク導入支援都市高崎実証事業 | JR東日本企画、高崎市、ママプロぐんま、富士ゼロックスなど |
| 長野県塩尻市、富士見町、王滝村 | 住みよい信州×わーくプロジェクト | 長野経済研究所、長野県、塩尻市、富士見町、王滝村、信州大など |
| 長野県松本市、神奈川県横須賀市 | 横須賀・松本商工会議所地域連携モデル事業 | 横須賀商工会議所、松本商工会議所、ノークリサーチなど |
| 京都府京丹後市 | 地方小都市の企業誘致によるふるさと創生事業 | 丹後地域地場産業振興センター、京丹後市、明治大など |
| 奈良県東吉野村 | 東吉野村「ふるさとテレワーク」推進事業 | 東吉野村、オフィスキャンプ東吉野、奈良県など |
| 和歌山県白浜町 | 白浜町における先進的テレワーク推進及び生活直結サービス構築・検証事業 | NECソリューションイノベータ、和歌山県、白浜町など |
| 徳島県鳴門市 | ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業 | JCIテレワーカーズ・ネットワーク、徳島県、鳴門市など |
| 福岡県糸島市 | テレワーク×クラウドソーシングによる移住定住促進事業 | 日本テレワーク協会、糸島市、九州大、西日本新聞社など |
| 佐賀県鳥栖市 | 九州みらいジャンクション創出事業 | 佐賀県、鳥栖市、パソナテック、佐賀大、久留米大など |
| 沖縄県竹富町 | 離島地域における移住・定住促進プロセス構築事業 | サイバー創研、竹富町、ブルーオーシャン沖縄など |