総合一度離れて会社の良さがわかる?!「再雇用制度」を活かして「出戻り社員」で活躍する働き方
皆さんは、「縁があれば、一度退職した会社にもう一度戻りたい」と思ったことはありますか?これからの新しい働き方として、以前働いていた企業に再び雇用される、いわゆる「出戻り社員」が増えつつあると言われています。企業によって「再雇用制度」「ジョブリターン制度」「カムバックレター制度」など呼び名は様々ですが、即戦力としてすぐに活躍してもらえると期待されているようです。今回は、一度離れた職場に再び戻り、活躍するための働き方について考えてみました。

企業側も働く側も「慣れていること」が最大のメリット
まず、一つの事例をご紹介しましょう。
大手小売業でバイヤーとして勤続15年のAさん(女性)は、ご主人の転勤のために職場を一度退職し、退社後3年以内の再入社による「再雇用制度」を利用しました。前職に戻るために必要な試験を見事クリアして、キャリアを捨てることなく現在も活躍しています。
Aさんの場合は、制度も整った好例だとは思いますが、企業側にとってメリットとなるのは「業務内容を把握しているので、すぐ即戦力になってもらえる」という点。また、リターンしたAさんも「地方で派遣社員も経験しましたが、やはり慣れ親しんだ会社で、しかもまたバイヤーとして働ける仕組みがあって有難いです」と満足している様子でした。
同企業は女性が多い職場だということもあり、結婚や出産、介護といったライフステージの変化に影響を受けやすく、制度が完備される以前に止むを得ず退職した方も多くいます。復職に関しては、正社員だけではなく、時には契約社員や派遣社員として、それぞれのライフスタイルに合わせて業務形態を変え、現場で活躍している方々もいるそうです。

写真:退職時の花束 (ライター所蔵)
「再雇用」を制度化している企業は、わずか9%
昨年度、人材サービス会社エン・ジャパンが、サイト利用者392名に「リターン社員」についてアンケート調査した結果、一度退職した社員を「再雇用」したことのある企業は、72%という数字でした。
【図1】貴社では、一度退職した社員を再雇用したことがありますか?

出典 出戻り社員(再雇用)実態調査
興味深いのは、再雇用制度を設けている企業はわずか9%という数字に対し、特に制度として設けてはいないと回答した企業が88%にのぼった点。つまり制度化はしていないけれど、前職場に戻る人がいるのも事実だということです。
【図6】一度退職した社員を再雇用する制度を設けていますか?

出典 出戻り社員(再雇用)実態調査
企業側が再雇用に踏み切った理由としては、前出の「即戦力を求めていた」「人となりがわかっていて安心できる」「採用、教育コストがかからずに済む」という意見が多く見受けられました。
一方で、課題点もあり、ポジションや給与面などの待遇については個別対応となるため一律で制度化が難しいこと、周囲の社員が再雇用を期待して安易な退職を望むことへの危惧などが挙げられています。
試行錯誤ではあるが ”未来の働き方” 「再雇用制度」
企業側とリターンした本人にはメリットが多いように思える「再雇用制度」。では、働き続けている周りの社員たちはどう思っているのでしょうか?
「他社を見てきた視野の広さがあり、以前より仕事ができる」「頼りがいがある」といった好意的な意見が多い一方で、「以前の仕事のやり方に固執しないでほしい」「慣れ合いになってほしくない」などの厳しい意見もありました。
そこで、ある企業では、周囲の社員(あるいは部下)との面接に通った人だけが再雇用されるというユニークな仕組みを作っています。
「再雇用制度」にはまだ賛否両論あり、どの企業も手探りで進めているのが現状だと思いますが、新しい事を始めるときには、問題や軋轢は起こるもの。これまでのように、「仕事か?家庭か?」の二者択一の選択ではなく、猶予期間がある安心感は企業側も働き手にもメリットではないでしょうか。まだ小さな潮流ですが、働き手が企業に合わせるのではなく、働き手の働き方に合わせられる柔軟な企業が増えていくことを望みます。

ライターからのヒトコト
私自身、「再雇用制度」という言葉も制度もなかった10数年前にリターンをした経験があります。今回、興味があって調べてみましたが、やはり企業と働く人とは縁もありますし、制度や数字では測りきれないのかなと思いました。現場の受け入れ体制や雰囲気、リターン社員の人柄、仕事内容などが上手く合致すると、スムーズな職場関係が築けると思います。