総合富士電機など、遠隔オフィスで働き方柔軟 移動の負担軽減
大手企業が外出先でも社内と同じように働けるサテライトオフィスの導入を進めている。富士電機グループやリクルートホールディングスが今秋にオフィス拠点を用意するほか、富士ゼロックスも設置を拡大している。自宅や訪問先の近くで通常業務ができるため、育児や介護中の従業員が通いやすく、出張後にも直帰しやすい。柔軟な働き方を後押しする動きとして広がりそうだ。
富士電機は子会社の富士電機機器制御(東京・中央)で10月から、本社や埼玉県鴻巣市と栃木県大田原市の2工場にサテライトオフィスを本格導入する。本社と工場を行き来する社員がどこでも通常業務を続けられ、勤務時間を効率よく使えるようになる。
本社と2工場に専用スペースを設け、内線電話や無線LAN(構内情報通信網)などを用意する。入社3年以上の社員300人を対象に試験導入し、業務効率の改善を確認できれば、富士電機本体でも始める。
富士ゼロックスは本社と都内営業所の3カ所にサテライトオフィスを開き、首都圏11カ所に増やした。全従業員が利用でき、営業担当者が取引先の近くで仕事をすませて早く帰宅するといった働き方を促す。本社内では座席10席、電話用の個室3室、ミーティングスペースを設けた。今後は名古屋や大阪などにも設置する計画だ。
育児や介護中などで長時間の通勤が難しい女性従業員に配慮したサテライトオフィスの活用方法もある。
リクルートホールディングスは10月から在宅勤務制度を全面導入するのに合わせ、サテライトオフィスを活用する予定だ。東京の新宿、渋谷など主要ターミナル駅にあるレンタルオフィスを借りて、社員が無料で使えるようにする。
6月に在宅勤務制度を試験導入したところ、自宅の通信環境や事務機器が整っておらず、仕事の効率が下がるケースがあった。在宅勤務と組み合わせて、社員が柔軟に働きやすい環境を整える。
日本生命保険は2016年3月までに大阪市の本店でサテライトオフィス勤務制度を始める。女性職員が9割を占める「お客様サービス本部」が対象。神戸や奈良などからの通勤経路上に拠点を設け、本店に出勤しなくても顧客情報を含む仕事ができるようにする。
▼サテライトオフィス 本来の勤務地から離れた場所にあるオフィス。外出した従業員が本社や営業所に立ち寄って使うケースや従業員が自宅近くの郊外拠点を使うケースが多い。移動時間や通勤の負担を軽減できる。都心のオフィス賃料が高騰した1980年代後半に登場したが賃料の負担が大きく、バブル崩壊後に下火となった。近年はIT(情報技術)の発達でどこでも通常業務ができるようになり、従業員の多様な働き方や生産性の向上を目指して、再び企業での設置が広がっている。
