女性活用なら労働力1.5%増 経済財政白書、成長へ処方箋

女性雇用女性活用なら労働力1.5%増 経済財政白書、成長へ処方箋

2015年度の経済財政白書は、デフレ脱却や持続的な成長を実現するために、労働市場改革や生産性向上の取り組みが重要だと指摘した。処方箋として、パートタイムからフルタイムに移行する女性が増えれば、総労働時間は1.5%増えるとした。生産性が低い非製造業では、IT(情報技術)投資を進めるべきだと提言。財政健全化や金融政策は踏み込み不足が目立った。

日本は30~40代女性の労働力率が主要先進国より低い「M字カーブ」が存在している。女性のパート社員が先進国並みにフルタイムで働き始めれば、働く人の数と1人当たりの働く時間を掛け合わせた総労働時間は1.5%増加すると白書は試算した。

女性の労働の質の改善も必要になると指摘し、男女間の賃金格差の解消が課題になるとの認識を示した。女性の賃金は男性の7割程度で、8割超の欧州主要国と比べると差が大きい。

1990年以降の経済の長期停滞は、非製造業や中小企業を中心に生産性の伸び悩みがあったとしている。生産性を高めるためにIT投資の活用や、研究開発活動を促すことが重要だとした。

「経済財政白書」にもかかわらず、財政政策への提言は乏しい。財政健全化については昨年度の白書では医療費抑制などの具体的な提案があったが、今回は各論にはほとんど触れていない。財政健全化の記述は昨年度の半分以下だった。

物価動向については、原油安による低下圧力があるとしながらも、日銀の量的・質的金融緩和は、市場参加者の予想物価上昇率の引き上げ効果を発揮していると強調した。低金利によって貸し出しが増えている点も評価した。ただ、デフレ脱却後の金融政策については「一層丁寧なコミュニケーション戦略が求められる」としただけで、踏み込んだ議論はなかった。