介護休業見直し 退職せずに済むように

総合介護休業見直し 退職せずに済むように

厚生労働省の有識者研究会は介護休業法の見直しを求める報告書をまとめた。介護休業を分割して取得できるようにすることが柱。介護と仕事の両立を支援し、退職者を減らす制度にしてほしい。

 介護休業制度は導入から十六年たつが、取得者の割合は3・2%にとどまる。育児休業と比べ使い勝手も悪く、認知度も低いためだ。研究会報告は働く人が「継続して就業できる環境が求められている」として見直しを提言した。

 介護休業は現在、介護が必要な家族一人につき、最長九十三日間取得できる。休業中は雇用保険から賃金の40%が給付される。しかし、事前に申請した日数で、原則一回しか取れない。例えば、認知症になった親がその後、寝たきりになり再び休むことが必要になっても、取得することができない。このため、報告は休業を複数回に分けて取れるようにすることを求めた。

 休業を取る際の家族の要介護状態も、現在は比較的「重度」とされているが、この基準を緩和する必要性にも言及した。

 また、介護休業を取るときの対象となる家族は現在、祖父母や兄弟姉妹の場合、同居であることが条件となっている。だが、核家族化が進み、同居していない親族の介護をするケースも増えている。同居していない祖父母や兄弟姉妹も対象に加えるべきだとした。

 休業のほかには、残業を免除する制度の創設も盛り込んだ。

 高齢化が進み二〇二五年には、介護サービスの利用者数は四割近く増えると推計される。

 介護を理由に退職する人は、働き盛りの四十代、五十代を中心に年間十万人近くに上る。その八割が女性だ。今後、労働力人口が減るため、政府は女性の活躍を掲げる。仕事と介護の両立支援は、もっと充実されるべきだ。

 介護は育児と異なり、先が見えない。平均的な介護の期間は、四年弱で、在宅での介護期間は二年半だ。それなのに休業期間が最長九十三日間というのは、あまりに短いのではないか。

 民間団体「均等待遇アクション21」は、介護休業を三百六十五日とし、休業給付を賃金の67%に引き上げることを提言する。

 厚労省は報告を基に、労使代表が入った審議会で具体的な制度づくりを議論し、来年の通常国会に育児・介護休業法改正案を提出することを目指す。

 働く人と高齢者が安心して生活できる制度づくりが求められる。