総合企業の採用活動でビデオ面接を活用するには
これまでも、社内のコミュニケーションや共同作業にビデオ技術を利用したり、マーケティングや営業に活用したりという企業は数多くあった。一方、採用活動や人材調達の手段としてビデオを利用するというのは、比較的目新しい使い方ではあるが、急速に注目を集めつつある。

かつて「Video Killed the Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)」という曲があったが、今やビデオは、企業の採用活動に新風を吹き込みつつある。効率が悪く時間がかかっていた旧来のやり方を刷新し、採用活動の期間短縮と人材の質の向上をもたらしている。
一般向けデバイスで動画が普及したことが背景に
ビデオ会議ソリューションを開発する米LifeSizeのCEO(最高経営責任者)、Craig Malloy氏によると、現代の企業では、B2Bの通信プラットフォームにビデオを統合したいというニーズに拍車がかかっている。その背景にあるのは、「FaceTime」や「Skype」のようなコンシューマー向けビデオ通話アプリの普及と、手ごろな料金のクラウドインフラの広がりだという。
「かつては、ビデオを利用するには、社内に大規模なインフラを整備し、データセンターに専用の設置場所を確保する必要があった。以前のビデオは、重くて信頼性が低く、費用もかさんだ。しかし今では、ポケットやバッグに入っているデバイスからでも、FaceTimeなどのコンシューマー用アプリを使ってビデオ通話が可能になった。そこで、会社でもビデオ通話を利用したいと社員たちは考えるようになった。こうしたビデオ機能をさらに後押ししているのが、パフォーマンスに優れたクラウドインフラを手ごろな料金で利用できるようになったことだ」
これまでも、社内のコミュニケーションや共同作業にビデオ技術を利用したり、マーケティングや営業に活用したりという企業は数多くあった。一方、採用活動や人材調達の手段としてビデオを利用するというのは、比較的目新しい使い方ではあるが、急速に注目を集めつつある。
従来は電話審査や会社での面接という形で行われていたプロセスが、現在ではまずビデオ面接として行われるようになった。これは、採用期間の短縮につながるし、採用担当者が最適な人材を判断しやすくなるとMalloy氏は言う。「候補者の人となりは、紙の履歴書や電話での会話から推測するより、ビデオを利用した方がはるかにつかみやすい。それに、採用までの期間も短くなる。ビデオ面接の方がスケジュール調整が簡単で、煩わしさも少ないからだ。移動時間を考慮したり、採用担当者の空き時間に合わせたり、候補者の現在の仕事の予定を調整したりする必要がない」
自己アピールもビデオで
ビデオ面接は必ずしも生のやりとりでなくてもよい、と、ビデオ会議製品を開発する米InterCallやその親会社の米West Corporationで人事担当幹部を務めるChris Brown氏は言う。応募者が自己紹介をビデオに収録し、オンラインでの応募書類一式に添付して、採用担当者や意思決定者に一斉に届くようにするという方法もある。
人材管理ソリューションを開発する米PeoplefluentのCMO(最高マーケティング責任者)で、マーケティングコミュニケーション担当のシニアバイスプレジデントを務めるAlys Scott氏は、ビデオは会社の社風や組織構造を知ってもらうための機会にもなると話す。その会社で働くメリットを説明できるし、人材募集サイトの箇条書き項目よりも興味を引く形で個々の職務内容を伝えられる。さらには、最先端の技術を利用している会社だと示すこともできる。