従業員がグッとくる報酬とは?

総合従業員がグッとくる報酬とは?

人材管理の中で、報酬の支払い方法に関してはここ十数年で大きな変化を見た。時給、日給、月給、労組(または労組ではない労働者集団)との交渉で決定されていく「労働条件」から、「トータルコンペンセーション」と呼ばれるものへの進化である。トータルコンペンセーションとは、労働への代償として支払われる報酬の形を多様化するものだ。

具体的には、ボーナス、短期あるいは長期的スパンでの報奨などだ。これに福利厚生的なものが加わって報奨制度はさらに拡大・多様化の一途をたどっている。幼稚園のチケット、ジムの会員権、理学療法のセッション、労働者家族への援助、報奨休暇などなど労働者を支える福利厚生上の特典は年々増え続けており、これらはトータルコンペンセーションの重要な要素を形成している。

報酬には2つのタイプがある

この報奨制度は新しい傾向として注目されるが、報奨として支給されるものには物質的なものから別のメカニズムによって従業員のモチベーションを高めるものまで様々なタイプがある。これらは大まかにはフォーマルとインフォーマルの2つのタイプに分けられる。

前者は長年の勤務への報奨(例えば25年勤続者に贈られる時計、バッヂ)といったものや顕著な業績をあげた従業員を取締役との朝食会に招待する、などである。このカテゴリーにはアイデア賞、従業員同士の投票で選ばれる優秀社員賞、月間優秀社員賞などがある。これらのプログラムの有効性は現時点では十分に証明されてはいないが、社員報奨プログラムを取り入れた会社での業績の変化に関する研究はすでに始められている。

私は前述のプログラムは効力を発揮するはずだと考えるものだが、個人的には第二のカテゴリー、つまりインフォーマルな報酬制度の方により深い興味を持っている。

これは上司が日々の業務の中で直接そのチームや部署の従業員の優秀な仕事に対して臨機応変に与えるものである。具体的には労働時間内での休暇や、社員がやってみたいプロジェクトにつかせる(この選択に上司は介入しない)などである。

評価されていないと感じる従業員が約4割

ポイントはこれを目の当たりにした同じチームの他の社員たちの士気を高め、好成績を引き出すことだ。

言うのは簡単だが実行するのはなかなか難しい。センター・オブ・オーガニゼーショナル・エクセレンス(Center for Organizational Excellence)の調査によると、会社から評価されていると感じていると回答した従業員はわずか51%。36%がこの1年で会社から報奨を受けていない、としている。

別のデータ(2014年WorkForce Mood Tracker)では60%が社内に3人以上の上司がいると回答している。報酬制度はともかくとして、真の人材活用までには長い道のりが待っているようだ。