大手損保、働きやすい職場競う 始業時間9通りなど

総合大手損保、働きやすい職場競う 始業時間9通りなど

大手損害保険会社が働きやすい職場づくりに力を入れている。損害保険ジャパン日本興亜は4月から、社員の仕事内容や家庭の事情に応じて朝型や夜型の勤務時間を選べる制度を導入した。東京海上日動火災保険は在宅勤務の対象者を広げ、三井住友海上火災保険は社員の親の介護支援サービスを始めた。仕事と育児や介護を両立しやすい環境を整え、女性の活躍や離職の予防につなげる。

損保ジャパン日本興亜は午前9時~午後5時で原則一律だった就業時間を改め、始業を午前7時から午後1時の間の9パターンから選べる「シフト勤務制度」を導入した。従来はコールセンター運営など一部の部署で適用していたが、4月から約2万5千人の全社員が利用できるようにした。

たとえば保育園に子どもを迎えに行きたい社員は、午前7時~午後3時の朝型勤務を選べば、夕方前に退社できる。時差のある海外拠点とのやり取りが多い社員は午後1時~午後9時の夜型勤務にすれば残業を減らせる。始業時間を柔軟に選べる取り組みは、損保業界でも珍しいという。

社員の在宅勤務を後押しする動きも広がっている。東京海上は1月から一部社員に限られていた在宅勤務の対象者に、小学3年生以下の子どもを持つ社員を加えた。損保ジャパン日本興亜も月4回までだった在宅勤務の上限を4月に撤廃した。通勤や退社の移動時間がなくなる在宅勤務は、子どもの送り迎えなどがしやすくなる。

親の介護で大変な社員の支援に力を入れるのは三井住友海上だ。4月に看護師や介護福祉士などの資格を持つスタッフが相談にのるNPO法人「海を越えるケアの手」(東京・中央)と提携。介護保険申請の代行などの有料サービスも使えるようにした。

厚生労働省によると、金融・保険業の雇用者数に占める女性の比率(2013年)は54.4%と全産業の43.3%より高い。出産や育児、親の介護などを両立しやすい職場をつくり、女性の活躍を促すことは、企業の競争力の底上げに直結する。

男女問わずに働きやすさを追求することで、離職率の低下や新卒採用でのアピールにもつながる。「1人当たりの生産性を高め、新たな企画などより付加価値の高い仕事を増やす狙いもある」(損保ジャパン日本興亜の人事担当者)。景気の持ち直しで人材の獲得競争が激しくなるなか、社員が生き生きと働くための創意工夫が各社に求められている。