関西企業、大卒採用16年春10.9%増 本社集計

新卒関西企業、大卒採用16年春10.9%増 本社集計

日本経済新聞社がまとめた2016年春の採用計画調査(最終集計)によると、関西に本社を置く企業の大卒採用計画は15年春実績比で10.9%増となった。2ケタ増は2年連続で、3社に2社が増やす計画だ。不採算事業の整理など構造改革が進んだほか、円安も重なって企業業績が改善。新市場の開拓に向けて新卒を積極採用する動きが広がってきた。

調査は近畿2府4県に本社を置く759社を対象に日経リサーチの協力を得て2月から実施し、4月10日までに484社から回答を得た。全国平均(14.6%増)と比べると低いが、15年春実績(15.1%増)に続く2ケタ増となった。製造業が7.3%増と全国より低い一方、非製造業が14.5%と高水準だ。

採用意欲が旺盛なのは構造改革の進んだ企業だ。パナソニックグループは大卒で15年春より50人多い650人を計画する。薄型テレビなど不採算事業の縮小にめどが付き、住宅、自動車関連など成長分野への人材投資を進める。

日本電産グループは約100人多い350人を予定する。「インドなど新興国でモーターの潜在市場が大きい」(永守重信会長兼社長)とみて技術力強化と海外市場開拓に備える。新興国でスマートフォン関連事業を拡大する京セラグループなどを含め、電機は43社合計で17.8%増える。

関西で最多の大卒約1350人を予定するのが大和ハウスグループ。戸建て住宅が伸び悩むなか、好調な物流施設や賃貸住宅の営業、設計に人材を振り向ける。

消費増税による消費の不安が薄れた影響も大きい。昨年に採用を絞ったエディオンは15年春より約60人多い約150人を予定。平和堂も新規出店に備え、約70人増の200人を計画する。

人手不足が続く介護業界では高級老人ホーム運営のロングライフホールディングが15年春の3倍の150人を採用する。「高齢者と一緒に食事や墓参りに行くなど、これまで老人ホームで提供してきた保険適用外のサービスを在宅介護にも広げる」(遠藤正一社長)

15年度の中途採用は前年度比1.3%増。建設や外食は人手不足がネックとなっているが、業種や職種によっては増やす企業もある。クボタは大卒・院卒の技術系を中心に310人、住友電気工業も技術系を中心に105人を計画する。

NTT西日本グループは新卒採用を90人少ない375人に抑え、中途採用を積極的に進める。固定電話の解約などで経営環境が厳しさを増すなか、コールセンター業務などで即戦力を雇い入れて人員配置を効率化する。

関西企業のなかでも業績悪化が続くシャープと関西電力は採用計画を固めていない。好調な業種でも企業の採用意欲はばらついており、先行きは流動的な面もある。