総合ビズリーチ すべての社員が採用担当
管理職や専門職に特化した会員制の転職サイトを展開している「ビズリーチ」(東京都渋谷区)は、すべての社員が採用担当を兼ねている。本来の仕事の合間を縫い、会社に必要だと思う人材を見つけ出してスカウト。会社役員に紹介する。
南壮一郎社長(38)は6年前、知人と転職サイトを立ち上げた。手がけているのは、ネットを介して求職者と企業をつなぐビジネスだ。求職会員は自らの職務経歴を登録。ITや商社、金融、建築、マスコミといった会員企業が閲覧し、直接連絡できる。
求職会員は約43万人にのぼる。半数以上は40代から50代。転職希望ばかりではなく、自分の市場価値を見定めようとする人も多いという。
事業の拡大に伴い、2人で始めた会社は社員数約360人に伸びた。この急成長を支えた採用手法が、社員紹介だった。2013年4月以降の2年間に293人が入社したが、このうち149人が社員の紹介だ。
社員紹介の利点は、会社が置かれている状況を社員一人ひとりがしっかり理解しようと努めること。相手に前向きになってもらうには、自社の将来性や魅力をわかりやすく説明できなくてはならない。めざす会社の姿に対して、社員の意識が共有される。南社長は「おのずと連帯感が生まれ、会社は成長してきた」と語った。
採用に際し、南社長の指示は「自分よりも優秀だと思う人材を探してほしい」と端的だ。社員は様々なつてで、「これは!」という人材を引っ張ってくる。学生時代に成績が良かった幼なじみや、営業先の知人に紹介してもらう場合も。紹介する意欲を高めるため、半年のうちに一番多く入社させた社員を表彰する制度も始めた。
採否にペーパー試験はなく、役員が直接会って決める。次々に紹介者がやって来るので、南社長は土日も休まず、面接に立ち会う。
広報担当の伊藤綾さん(31)は「落ちる人もいる。学歴不問ですが、仕事への意欲や社風と合うかが大切です」。伊藤さん自身は5人を紹介したが、入社できたのは1人。「自社に合う人材を見つけるのは難しいですね」(梶山天〈たかし〉)
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2009年4月に起業。資本金約2億3千万円。キャリア女性や、シンガポール・香港を中心としたアジア向けに特化した転職サイトも展開する。
■社員のつぶやき ビジネス開発部グループリーダー・日暮優貴さん(27)
私も富士通からの転職組。2014年8月から半年間で5人が大手企業から転職してくれて、上期のトップ賞でした。うち4人は小中学校時代の竹馬の友です。常に私より成績が優秀だった彼らとともに働ける喜びを実感。張り合いがあります。