総合今、転職市場で採用ニーズの高い職種は?
外資系人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社は、日本国内の転職市場における4~6月期の採用動向を発表した。同社は日本の雇用市場が着実に上向く中、企業各社は今後の事業成長を見据えて引き続き採用活動を活発化することが予測されるとしている。
また、この四半期、特に需要の高い職種として、1.FP&A(財務計画立案分析)プロフェッショナル、2.モバイル開発者、3.薬事関連業務担当者だとしている。また、同社のマネージング・ディレクター、ジョナサン・サンプソン氏は、この四半期の傾向について次のように述べている。
「年度末の人事考査や業績査定といった一連の作業が終わり、企業各社はこの時期、今後の事業成長を支える新たな人材の採用活動に力を入れ始めています。深刻なスキル不足の問題が続く中、動向が注目されるのはシニア人材の流動化です。一部企業で導入されている早期退職奨励制度を活用して退社したシニア人材が転職市場に供給され始めたことは、企業にとって朗報です。
新たな雇用先を模索しているシニア人材は、雇用形態や給与などの条件面において比較的柔軟で、契約社員という形や給与の減額を受け入れても仕事のやり甲斐を求める傾向にあります。企業にとっては、スキルの高い経験豊富な人材を、短期・中期・長期含め柔軟な形で採用することによって、即戦力を得ることができるというメリットがあります。
一方、若手人材に目を向けると、労働人口の減少に伴う人材獲得競争はますます激化しており、外資系企業の多くは例年よりも早めに新卒内定を出す傾向にあります。
日本経済が上向く中、企業側も採用枠を拡大しており、求人数は全般的に増加傾向にあります。このような流れの中、有能なプロフェッショナルの需要は一層高まるものと予想されます」
■4~6月期の採用動向レポートから特に高い需要が予測される職種
◎FP&Aスタッフ(Senior and Junior FP&A staff)
FP&A(財務計画&分析)部門の強化が企業にとって大きな価値を持つことを理解する企業が増え、ジュニアおよびシニアレベルのFP&Aスタッフの需要が高まっている。
◎M&Aスペシャリスト(Mergers and Acquisitions specialists)
首都圏でM&A関連の求人が急速に増えており、証券会社と専門企業の両方で少額案件から中規模案件までを扱うスペシャリストが求められている。こうした需要の背景には、東南アジアの新興市場での活発なM&A活動に加え、日本企業が北米市場で積極的に事業拡大を図っているという状況がある。
◎モバイル・デベロッパー(Mobile Developers)
モバイルアプリケーションやビッグデータの台頭により、モバイルアプリケーション開発者の需要が非常に高くなっている。新規アプリケーションの多くがクローズドシステムからWebへと移行する中で、ASP、Java、あるいはRubyといったWebベースのフレームワークに優れたスキルを持つ開発者には、特に高い需要が見込まれる。
◎コーポレート戦略エキスパート(Corporate Strategy experts)
保険業界ではM&Aやブランドの再構築が活発に進められており、トップクラスのコーポレート戦略エキスパートに対する着実な需要がある。銀行(特に投資銀行)や、コンプライアンス、ガバナンスの経験を持つ人材が求められている。
◎アソシエイト弁護士(Associate Attorneys)
米国、英国、豪州または日本の資格を持つ弁護士が求められており、M&A、キャピタルマーケット、知的財産権、プロジェクト財務、訴訟および係争解決の経験がある弁護士の需要が特に高くなっている。多くの場合で日本語能力が必要とされている。
◎薬事規制関連業務スタッフ(Regulatory Affairs staff)
多くのライフサイエンス企業にとって薬事関連業務は最も重要性の高い分野であるにもかかわらず、経験豊富な人材の不足は依然として続いている。専門的な知識に加え、承認取得まで規制当局と粘り強く交渉にあたることのできる忍耐力も併せ持つ人材が求められている。
◎セールスアドミニストレーター(Sales Administrators)
SAPやOracleの運用経験があり、且つ通訳・翻訳のスキルを併せ持った人材の需要が高まっている。
◎プロジェクトマネージャー(Project Managers)
不動産への投資拡大が続くと同時に、2020年のオリンピック開催をにらんだ建設プロジェクトも始まっていることから、日英バイリンガルのプロジェクトマネージャーに対する需要が極めて高くなっている。
◎カントリーマネージャー/セールスディレクター(Country Managers/ Sales Directors)
一般消費者向け、および産業向けの両方の分野において、スタートアップ企業や今後のグローバル展開狙う企業が強力な人脈を持つ日本人を採用するケースが増加している。
◎デジタルマーケティング担当者(Digital Marketers)
あらゆるフォーマットを活用してコンテンツを作成し、ターゲットにリーチするための最適な形にカスタマイズする能力が求められており、ブランディング経験を持つデジタルマーケティング担当者への需要が高まっている。
◎プログラムエンジニア/マネージャー(Program Engineer/Managers)
国内自動車メーカーが積極的に新技術や新モデルの開発に取り組む中、これを勝機と捉えるサプライヤー各社にとって、技術力の高いバイリンガルのプログラムエンジニアやプログラムマネージャーの採用が最重要課題となっている。
◎インフラストラクチャ・プロジェクト/プログラムマネージャー(Infrastructure Project/Program Managers)
金融各社は、ネットワーク、サーバー、ストレージ等、社内のコア基盤のアップグレードに取り組んでいる。こうしたプロジェクトの完了に向けて、金融業界のITインフラプロジェクトやプログラムの経験を持つ人材が求められている。
◎報酬・福利厚生スペシャリスト(Compensation&Benefits specialists)
人事予算の策定から採用枠の管理、福利厚生制度に至るまで、グローバル標準の制度構築・導入が必要になっていることから、C&B(報酬・福利厚生)スペシャリストの需要が高まっている。
◎需要プランナー(Demand Planners)
スキルの高い需要プランナーは人材が大幅に不足しており、多岐にわたる業界・企業では人材の獲得に苦戦している。
◎間接材購買スペシャリスト(Indirect Procurement specialists)
間接購買のプロフェッショナル人材に対する需要の拡大傾向は、今期も続くものと予測される。日本では比較的新しい職種であるものの、グローバル市場での競争力を保つための最優先課題として企業各社が業務コスト削減に取り組む中、この職種の役割に大きな注目が集まるようになっている。