マイナンバー制度まとめ

総合マイナンバー制度まとめ

そもそも、マイナンバーとは?

マイナンバーは、住民票に記載されている全ての人に1人1つの番号をふりわけ、社会保障・税・災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する
個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。


期待される効果としては、大きく3つあげられます。

1.公平・公正な社会の実現
所得や他の行政サービスの需給状況が把握しやすくなるため、不正を防止し、本当に困っている方に支援を行うことができます。
2.国民の利便性の向上
ITの活用により、一つの申請をするために複数の機関に出向く必要がなくなったり、添付書類の削減など、行政手続きが簡素化されます。
3.行政事務の効率化
行政機関や地方公共団体等で、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。

 

どんな企業が対応しなければならないのか?

ほぼ全ての企業で制度への対応が必要です。
従業員を雇用している民間事業者は、税や社会保障の手続きなどで対応が必要になります。
対象となるのは正社員のみでなく、契約社員、パート・アルバイトなど全従業員分のマイナンバーを取り扱う必要が出てきます。
また、2001年に個人情報保護法が制定し、日本国内でもセキュリティ対策は強化されてきましたが、マイナンバー制度の施行に伴う特定個人情報の漏洩については、既存の個人情報保護よりも格段に強い罰則となっています。

注:マイナンバー制度によって個人の情報が一元化されれば、社会保険未加入事業者が一目瞭然になります。 国による社会保険未加入対策も一気に進む可能性があります。

企業にとってのメリットは?

mynumber_company_merit現在は、源泉徴収票と給与支払報告書を税務署と従業員の住所地の市町村にそれぞれ仕分けた上で郵送しなければなりませんが、マイナンバー制度によって、1種類の様式をエルタックス
(地方税ポータル)に送信すれば、自動的に振り分けて提出されるようになります。
とは言え、企業としては、マイナンバーを利用する便利さよりも運用コストの方が気になるところでしょう。

スケジュールを確認

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平成27年10月から、個人番号が通知、平成28年1月から、利用が開始されます。
必ずしもマイナンバーの利用開始に合わせて取得しなければならないということではなく、マイナンバーを記載した法廷調書などを行政機関などに提出する時までに取得することに
なります。
民間企業では、7月1日時点で使用している全被保険者の3ヶ月間の報酬月額を「算定基礎届」により提出しますが、 一般的には、これが最初にマイナンバーを利用する
機会になるようです。
イレギュラーな場合としては、従業員の退職があった場合のその翌月に利用するケースも考えられます。

実際に対応が必要な部門は?

民間事業者は、税や社会保障の手続きでマイナンバーを取り扱うことになります。

「人事労務」健康保険・雇用保険・厚生年金の被保険者資格取得届の作成等
「給与会計」源泉徴収票や支払調書の作成等
「個人相手の取引に対する支払業務」支払調書の作成等

帳票を扱う総務・経理部門だけでなく、システム部門やコンプライアンスに関わる部門など、幅広い部門に影響が及ぶことが想定されます。

【例】

総務
全社員研修(法令・マイナンバーの適正な取扱い)、
安全管理措置の実施
人事
源泉徴収、特別徴収、保険料の支払い
経理
法定調書の提出
(営業)
法定調書関係で、個人の取引先が多い場合
(企業年金)
企業年金関連法によって規定された事業主
(健康保険組合)
健康保険組合を設立している場合
情報システム部門
上記に関するシステム改修

 

企業がやるべき対策は?

マイナンバーを適正に取り扱うためには、業務フローの見直し、システム改修など、
広範囲に渡る対応が必要になります。

組織

・対処方針の検討
・規程類の見直し
・従業員などへの周知徹底・教育研修
・マイナンバー収集対象者への周知
・委託先・再委託先の監督等

業務プロセス

・対象業務の洗い出し
・対象業務フローの見直し
・業務担当者の明確化

システム

・システムへの影響度調査
・システム改修
・操作手順書の見直し

情報管理

・セキュリティ要件における過不足の検討
・モニタリング体制の確立・実施

マイナンバー取り扱い、実際の流れ

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1.収集

・個人番号取得時の「利用目的の明示」
マイナンバーを取得するときは、利用目的を本人に通知又は公表しなければなりません。
・個人番号を取得する際の「本人確認」
マイナンバーを取得する際は、正しい番号であることの確認(番号確認)と
現に手続きを行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)が必要です。

2.管理

個人番号及び特定個人情報の管理のために、適切な安全管理措置を講じなければなりません。
・組織的安全管理措置 組織体制や取扱規程などによる、安全管理措置の見直し
・人的安全管理措置 事務取扱担当者の監督・教育
・物理的安全管理措置 特定個人情報が記録された電子媒体を持ち出す際の
情報漏えいの防止措置(データの暗号化など)
・技術的安全管理措置 アクセス制御、アクセス者の識別と認証、
外部からの不正アクセス等の防止、情報漏えい等の防止

※個人番号をその内容に含む個人情報ファイル を「特定個人情報ファイル」といいます。

3.利用

事業者が個人番号を利用するのは、主として、社会保障や税に関する手続書類を、行政機関等や健康保険組合等に提出する場合です。
これらの事務にシステムを利用している場合、システムの改修が必要となります。
また、法令上の保存期間を経過した場合、個人番号が記載された書類などは、できるだけ速やかに廃棄または削除しなければなりません。


2018年には預金口座や医療分野でも適用可能となるなど、社会全体の効率化につながるマイナンバー制度ですが、企業にとっては、一時的に負担が大きいとの声もあります。
業務フローの対応が十分ではない場合、今までシステムで行っていた業務を手作業に戻さざるを得ないなど、業務効率の低下につながりかねません。
まだマイナンバー対応の準備が十分ではない企業は、まずは自社業務の影響範囲を明確にするなど、具体的な対策の検討が急務と言えそうです。