若者の失業率悪化 15年ILO予想「実態、一段と深刻」

総合若者の失業率悪化 15年ILO予想「実態、一段と深刻」

国際労働機関(ILO)が20日発表した2015年版の世界雇用・社会情勢展望によると、今年の若者の失業率は13.1%と14年見込みより0.1ポイント悪化する見通しだ。経済の回復が鈍く若者が就職できないためで、12年から上昇傾向が続いている。先進国では働く意欲をなくして労働市場から離れてしまう人も多く、ILOは実態は一段と深刻だと指摘している。

全年齢での失業率は米国での雇用改善などを受け14年に5.9%と前年比0.1ポイント低下したと推計。ただ、15年以降は同水準で推移し、07年の5.5%に比べると高止まりした状態が続くとみている。人口の増加に伴い、失業者数は14年に2億130万人と前年比0.6%増加。15年は2億437万人に増えると予想する。

若年層(15~24歳)の雇用情勢の悪化は、就労者に働く意欲のある人を加えた「労働力率」にも表れている。14年は全年齢で63.5%と前年並みを維持したが、若者は47.3%と0.1ポイント悪化した。職業経験を得られず、さらに就職が難しくなるといった状況から、就職を諦めてしまうケースも多い。

14年の若者の失業率を地域別にみると、中東・北アフリカが29.5%で最も高かった。一方でインドやパキスタンを含む南アジアは10.0%と最も低く、これに中国を含む東アジアが10.5%で続く。

ILOのライダー事務局長は米国を例に「失業率は低下傾向だが、労働市場から身を引く人や、やむなくパート従業員になる人もいる」と指摘。そのうえで「行き過ぎた不平等や高い失業率は社会不安を悪化させる」と警告した。

先進国は全年齢の失業率が14年に7.8%と前年より0.7ポイント改善した。ただ、実質賃金の伸びは同0.5%増にとどまった。ILOは労働者が賃金交渉で弱い立場にあることや、フルタイムを希望してもパートの職に就かざるを得ない人が多かったことが原因だと分析している。