ベンチャー、建設のミスマッチ解消で商機拡大

総合ベンチャー、建設のミスマッチ解消で商機拡大

人材不足や機械の需給のミスマッチといった建設業界が抱える課題の解決に挑むベンチャー企業が出てきた。インターネットを活用し、資格保有者や経験のあるOBと関連企業を結びつけたり、建設機械を手軽に売買できるサービスを提供したりする。震災復興や東京五輪向けの工事の増加で、中小企業を含めて繁忙が続くと見られるだけに、ベンチャーの商機も広がりそうだ。

IT(情報技術)ベンチャーのシェルフィー(東京・新宿、呂俊輝社長)は、今春から設計会社と施工管理者をつなぐ仲介サービスを始める。施工管理者は建設現場で作業員に指示したり、進捗状況を管理したりする。経験や実績のある管理者を確保することは、決められた期間内に工事を完成させる決め手になるという。

インターネットの専用サイトを通じて、登録した管理者と設計会社をマッチングする。管理者が手掛けた工事の実績を写真付きなどで掲載し、設計会社が選びやすくする。仲介が成立すれば、シェルフィーは手数料を受け取る。

同社は昨年7月に工事の施主と設計士を仲介する同様のサービスを始めた。現在は飲食店など小規模な物件を中心に約800の設計事例を掲載。月平均で約10件の成約があるという。施工管理者についてもビル内のテナントなど中小の物件を中心とした利用を見込む。

「眠った人材」を掘り起こそうという動きも広がる。クラウドデザイン(東京・渋谷、西村庸平社長)は設計図面やパース図の作成などの受発注サイトを立ち上げた。出産などで離職した主婦などの利用を見込むほか、「建設会社や設計事務所に勤務する建築士が副業として請け負うケースもある」(西村社長)。

すでに、設計や完成イメージの製作までをサイトを通じて手掛けた中華料理店も誕生した。さらに人材の幅を広げようとベトナムにも拠点を開設。現地のデザイナーらが作業を受注できるようにする。

IT関連の仕事などを中心にネットで受発注を仲介してきた企業も建設関連に注目する。昨年12月に東証マザーズに上場したクラウドワークスはモノ作りに特化した専用サイトも運営する。CAD(コンピューターによる設計)やパース図作製を受発注でき、建築士など約1000人の専門人材が登録する。

住宅の手書きの設計図のCADデータ化や建築パース図の作製など、これまでに100~200件の成約があった。同業のランサーズ(東京・渋谷)も建設業の登録は150社を超えて増加が続く。木造住宅のCAD図面作製などの成約実績があるという。

建設業界で不足しているのは人材だけではない。ショベルカーなどの建機が不足し、工事作業を思うように進められない現場もある。

ソラビト(名古屋市、青木隆幸社長)の「Mikata(ミカタ)」は建機を手軽に売買できるネット仲介サービスだ。パソコンのほか、スマートフォンにも対応。売り手は売りたい建機の写真を撮影したうえで、必要事項を入力するだけで出品できる。

売り手と買い手はともに建設会社やレンタル会社。季節や地域によって生じる需給のミスマッチの解消につなげる。昨年9月のサービス開始からの2カ月半で掲載した建機は約100台に達したという。青木社長は「数日で売買が決まるスピード感が人気」と話す。年度末の3月に向けて全国で工事が増えるだけに、さらなる受発注の拡大に期待を寄せる。