年収1075万円以上の専門職対象 労働時間規制外す

総合年収1075万円以上の専門職対象 労働時間規制外す

厚生労働省は7日、働く時間ではなく成果で賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の制度案をまとめた。対象は年収1075万円以上の専門職に限り、週40時間を基本とする労働時間規制から外す。過労を防ぐために年104日の休日なども導入の条件にする。「岩盤」といわれる雇用規制を崩す第一歩となる。

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ホワイトカラー・エグゼンプション導入は柔軟で効率的な働き方を促す狙いがある。安倍政権は2007年の第1次内閣当時に実現を目指しながら挫折した経緯があった。厚労省は働く時間を弾力的に決められる裁量労働制やフレックスタイム制も併せて拡充する。

同省は16日に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会にこれらの労働時間規制の改革案を示す。今後、与党との調整を経て労働基準法改正案を閣議決定し、26日召集の通常国会での成立と16年春めどの施行を目指す。

政府は昨年6月の成長戦略でホワイトカラー・エグゼンプションの導入を決めた。この時点では対象を「少なくとも年収1000万円以上の専門職」と想定していた。

「1075万円」という年収要件は当初案より対象が狭く、課長級技術職の民間給与で上位25%の水準にあたる。有期雇用の制度は年収1075万円以上の専門職の規制を緩めており、この水準に合わせた。残業代や手当はないが、成果が同じなら賃金の総額は変わらないようにする。

職種は金融ディーラーやアナリスト、医薬品の開発者、システムエンジニアなどを想定。年収と職種の条件は労政審の分科会で議論して、法案成立後に省令で定める。

国税庁の調査では年収1000万円以上の労働者は約180万人いる。多くは労働時間規制から外れた管理職だ。

厚労省が07年に導入を目指した案では年収900万円以上の管理職手前の社員を対象と想定し、約20万人に適用すると試算していた。今回は年収基準が上がるうえ、職種も絞り込むため20万人を下回る見込みだ。

ホワイトカラー・エグゼンプションの導入には本人の同意とともに働き過ぎを防ぐ策の実施が必要となる。労使が(1)年104日の休日取得(2)1カ月間の在社時間などの上限(3)就業から翌日の始業までに一定時間の休息――のいずれかを選ぶ。在社時間などが一定基準を超えた社員には、医師の面接を義務付ける。