介護休業 分割で取りやすく 厚労省、17年にも拡充

総合介護休業 分割で取りやすく 厚労省、17年にも拡充

厚生労働省は会社員が家族を介護するために取る介護休業制度を拡充する。現在は家族1人につき原則1回に限っている休みを、分割して複数回取得できるようにする。仕事と介護を両立しやすい環境を整え、企業の中核となる40~50歳代の人材が親の介護のために離職するのを防ぐ狙いだ。育児・介護休業法を改正し、2017年にも導入する。

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厚労省は今年6月までに介護休業制度の拡充案をまとめる。16年に育児・介護休業法を改正し、17年の施行を目指す。

介護休業は公的な制度で、企業は社員が家族のために休業の取得を申し出た場合、最長93日間まで休みを認める義務がある。休み期間中は賃金の40%相当を雇用保険から給付する。本人の両親、兄弟、祖父母や配偶者の両親などが対象となる。

現在は休業を取得できるのは原則1回だけだ。当初は親が介護を必要とする状態になったときに介護サービスの契約や準備をするために取る休みと想定したためだ。実際は、その後も親が寝たきりになったり認知症になったりと状態が悪化し、再び休む必要が出てくる場合もある。

1回きりの休みでは対応できず、公的な介護休業ではなく有給休暇でやりくりする人が多い。介護休業制度の利用者は12年度時点で約7万6千人と、介護をしながら働く人の3%にとどまる。

厚労省は介護休業を2~3回に分けて取ることも認め、会社員が家族の介護のために必要な休みを取りやすくする。企業の雇用管理が複雑になるのを避けるため、1回の取得で休める期間は2週間以上を目安にするとみられる。給付が増えた場合は当面、約6兆円ある雇用保険の積立金でまかなう。雇用保険料率(月給の1%、労使で折半負担)の上昇にはつながらないと厚労省は見ている。

介護休業を拡充するのは、年間10万人にのぼる介護離職者を少なくする狙いがある。親の介護に当たるのは40~50歳代の人が多い。人口の高齢化に伴い親の介護が必要になる会社員は今後も増える見通しで、企業にとっては中核人材の流出となる。

企業では管理職の退社を防ぐのが課題になっている。一部の企業は公的な休業制度に上乗せする独自の休業制度を作った。積水ハウスは休業期間を最長2年間とし、休みを何回でも分けて取れるようにした。「介護施設が不足する25年に会社の中核を担っている世代が50歳前後になるため先手を打った」と説明する。明治安田生命保険も休業期間を1年間に延ばし、短時間勤務制度を取り入れた。