[ITエンジニア7000人調査1]平均年収は468万円、管理層の年収減が顕著

総合[ITエンジニア7000人調査1]平均年収は468万円、管理層の年収減が顕著

平均年収は468万円。9割が「仕事への不満はない」と感じ、これから目指したい職種イメージは「ビジネスクリエーター」──。

IT人材のスキルキャリアを研究するNPO法人「ITスキル研究フォーラム(iSRF)」は、国内で就業するITエンジニア7218人を対象に調査を実施した(調査概要)。調査結果から冒頭に示す傾向が浮かび上がった。

調査では、経済産業省が作成した「ITスキル標準(ITSS)」に基づいて、IT人材の職種やスキルレベルを分類した。職種として、「ITアーキテクト」「プロジェクトマネジメント」「アプリケーションスペシャリスト」といったITSSにある11職種に加え、「品質保証」「クラウド」を独自に加えた。クラウドは、クラウドサービスのインフラ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、アプリケーション(SaaS)を横断的に捉え、ビジネスとしてのクラウドコンピューティング提供において全体を俯瞰する立場の人材を指す。

スキルレベルは、ITSSで定めるレベル1から7と「未経験レベル」の8段階とした。レベル7に近づくほど、プロフェッショナルとしてのスキルが高いとされる。未経験レベルは、レベル1(最低限必要な基礎知識を有する)に達していないという位置づけである。

ITエンジニア7218人の回答結果を基に算出した職種別、スキルレベル別の平均年収および平均年齢を表にまとめた(表1)。

回答数が全体の0.3%未満(21人以下)は参考値扱いとした。回答のなかった職種、スキルレベルは「-」で示している。

調査結果を見てみると、全体の平均年収は468万円、平均スキルレベルは2.8、平均年齢は36.7歳となった。

職種別に平均年収を見ると、最も高かったのはコンサルタントで713万円(平均年齢44.7歳、以下同じ)。プロジェクトマネジメント(585万円、42.4歳)、ITアーキテクト(536万円、39.5歳)がこれに続く。

最も平均年収が低かったのはソフトウェアデベロップメントで403万円(34.4歳)。アプリケーションスぺシャリスト(433万円、35.1歳)が続く。

スキルレベル別に見ると、最も平均年収が高いのはプロジェクトマネジメントのレベル6で769万円(48.4歳)。次に高いのは、同じくプロジェクトマネジメントのレベル5(721万円、46.9歳)だった。平均年収が700万円を超えたのは、このプロジェクトマネジメントの二つのレベルのみである。

平均年収が600万円台だったのは、セールスのレベル4(627万円、47.0歳)、ITアーキテクトのレベル4(604万円、42.9歳)と同レベル5(651万円、44.9歳)、プロジェクトマネジメントのレベル4(620万円、44.6歳)、ITスペシャリストのレベル5(695万円、45.5歳)という五つのレベルだった。

一方、平均年収が最も低かったスキルレベルはアプリケーションスペシャリストの未経験レベルで、336万円(26.1歳)である。

職種別に、どのスキルレベルに達すると平均年収を超えるかを見てみると、おおむねレベル3(要求された作業を全て独力で遂行する)が境目となっている。ただ、ソフトウェアデベロップメントなど下流工程の職種では、レベル4(独力で業務上の課題の発見と解決をリードする)に到達して初めて、平均年収を超える結果となった。

回答者における年収の分布を示す図1を見てみると、最も多かったのは「350万円未満」で全体の26.3%に上った。これに「400万~500万円未満」(23.6%)が続いた。平均年収が700万円以上だったのは全体の7.2%だった。

図1●回答者のプロフィール(年収)
「350万円未満」が26.3%
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前回調査(2013年に実施)における平均年収は502万円で、今回の468万円よりも34万円高かった。回答者の平均年齢は前回が36.9歳、今回が36.7歳とほぼ同じである。

前回と今回の調査結果を比較したところ、「350万円未満」の割合はおおむね変わらない(前回27.6%、今回26.3%)ものの、「400万~500万円未満」が増加している(同19.8%、同23.6%)一方で、「700万円以上」が減少していた(同15.7%、同7.2%)。これらの影響を受けて、全体の平均年収が低下したと考えられる。

回答者を役職別に見たところ、「一般社員」の平均年収は横ばい(前回408万円、今回405万円)だが、「監督者(主任・係長層)」は同573万円から同514万円、「中間管理職(次長・課長層)」は同695万円から同619万円、「上級管理職以上(部長以上)」は同796万円から同763万円へと、それぞれ大幅にダウンしている。これも全体の平均年収が下がる一因だった可能性がある。

スキルレベル別の分布を示す図2を見ると、全体の平均は2.8で、前回の3.0から若干低下している。内訳はレベル1が20.2%、レベル2が23.3%で、未経験レベルを含めたいわゆるエントリーレベルが53.4%と半数以上を占める。最も多かったのはレベル3(25.2%)で、14.3%を占めるレベル4と合わせると、約40%がミドルレベルという結果となった。

図2●回答者のプロフィール(スキルレベル)
レベル2以下が過半数
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年齢別の分布を示す図3では、「25~29歳」「30~34歳」「35~39歳」がそれぞれ約2割を占める。

図3●回答者のプロフィール(年齢)
30代が4割
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調査概要
Web調査機能を持つiSRFのスキル診断システム「ITSS-DS」を用いて「全国スキル調査2014」を実施した。調査期間は2014年6月16日から8月17日まで。本年度は、有料サービスとして提供している企業診断の調査データ(集計期間は2013年9月1日から2014年8月31日まで)も加えた。有効回答数は合計で7218人である。