従業員に聞く中小企業の人事評価制度の実態、7割が不満があっても伝えられず

総合従業員に聞く中小企業の人事評価制度の実態、7割が不満があっても伝えられず

人事評価システム・運用支援を専門とする株式会社あしたのチームでは、従業員300名未満の会社で、人事評価をされる立場である男女20歳~69歳を対象に人事に関するインターネット調査を実施した。実際に評価を受ける側の従業員に対して、人事に関するアンケート調査を行ったところ、従業員の人事評価に対する不満が明らかになった。

特に、人事評価に満足しているかの質問に対して、「満足している」はわずか2.0%。「やや満足している」と回答した26.5%を合せても28.5%と3割も満たず、従業員の71.6%が人事評価に不満があるという結果になった。また、人事評価に対する不満を伝えることは「ない」と回答した人が全ての項目で半数超えという結果に。特に「人事担当者」は89.5%、「経営者・役員」は85.0%と、直接人事評価の導入に関わる方に対しては不満を伝えていないことが判明した。

従業員に聞く中小企業の人事評価制度の実態、7割が不満があっても伝えられず
人事評価の満足していない理由は「評価と報酬との関連性が持てていない為」が最も多く37.4%となった。

■従業員目線での人事評価制度の実態

◎満足度について

「現在お勤めの会社の人事評価に満足していますか?」と聞くと、人事評価についての満足度は「満足している」と回答した人が全体で、2.0%とわずかだった。「やや満足している」と回答した26.5%を合わせても28.5%となっている。また、前回行った調査から、人事評価を導入する側である経営者・担当者の回答と比較をしてみると、今回の調査では、従業員側は28.5%に対し、人事評価を行う企業側は54.8%が従業員は「満足していると思う」と回答した。その差は26.3ポイントとなり、大きく差が出る結果となっている。

また、「人事評価に対する不満を下記の方に伝えたことはありますか。それぞれ教えてください」と聞くと、実際、人事評価に対する不満を伝えることは「ない」と回答した人が全ての項目で半数を超えている。多くの従業員が不満を抱えつつも、その不満を伝えることはないようだ。

◎具体的な不満の内容

前問の人事評価の満足度についての質問で「満足していない」「あまり満足していない」と答えた人に「満足していない理由」について聞くと、人事評価の満足していない理由は「評価と報酬との関連性が持てていない為」が最も多く37.4%となった。従業員は報酬に結び付く評価を求めているようだ。次いで、「人事評価の尺度が定められていない為」33.9%、「評価者の好き嫌いによって評価されてしまう為」29.7%となっている。

前回の調査では、実際に人事評価で悩んでいると回答した人に、具体的にどのような点で悩むことがあるか聞いたところ、人事評価制度の導入を担う、会社経営者・役員および人事担当者の一番の悩みは、「評価と報酬の関連性が持てていない」という結果が出ていた。前回の調査と今回の調査を比較し、人事評価を受ける従業員の立場からの具体的な”不満の理由“も「評価と報酬の関連性」であり、企業の”悩み“と合致していることが見受けられた。人事評価の最大の課題は、「評価と報酬の関連性」にあると言えるのかもしれない。

◎従業員から見た人事評価の必要性

「あなたは、人事評価を必要だと思いますか」と聞いたところ、
【必要だと思う】と回答した人の理由は、

・本当に仕事ができているのかをしっかり評価してほしいから(22歳 男性)
・給与など、納得できる土台となる評価は必要だと思うが、評価が評価者の好みに左右される面が嫌だ(24歳 女性)
・年功序列は古いため、能力を正当に評価する必要があると考えるため(28歳 男性)
・目に見える形であるほうがモチベーションが上がるから(35歳 女性)
・良き人材を取るにはどちらかと言えば必要かと。(36歳 女性)
・評価がないと差がつかない。 やってもやらなくても同じになってしまう(36歳 男性)
・評価されることで頑張ろうという気になる(42歳 女性)
・絶対的な評価を求める社員もいるだろうから(42歳 男性)
・成果主義においては、正しい評価制度が運用されていないと、何でもありのブラック企業と化してしまう。(45歳 男性)
・年功序列でない今の時代には、最低限の人事評価は必要だと思う。(48歳 男性)
・ただし正当な基準があれば。(50歳 男性)
・何段階かの評価を受けることで、より公正で他の社員も納得する評価を受けられると思うから。(52歳 男性)
・なければ働く意味がない(53歳 男性)
・評価が無いと励みが無くなる(58歳 女性)

【不必要だと思う】と回答した人の理由は、

・評価する者が無能だと制度があっても時間の無駄なので(27歳 男性)
・ボーナスに影響すると言われているが全く影響している様子が見られていないし給与にも昇給にも反映されていない。(29歳 男性)
・明確な判断基準がないので(32歳 男性)
・人によって感じ方が違うから(33歳 女性)
・基準がわかりにくい(39歳 女性)
・給与を上げないための仕組みとしてしか機能していないから(42歳 男性)
・だれがどのように評価するかで、同じ人の評価が180度変わる可能性があるので。無意味(43歳 男性)
・結果は相対評価だから(43歳 女性)
・どうせ人に好ききらいが判断の基準になって客観的判断は期待できないから(51歳 女性)
・評価者の人間性、能力に問題がある(57歳 男性)

といった声があがった。

●調査方法
・調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
・アイリサーチ登録モニターのうち、従業員300名未満の会社で人事評価をされる立場である男女20歳~69歳を対象に実施
・有効回答数:400人
・調査実施日:2014年10月28日~10月30日