派遣派遣法改正、審議に遅れ 2閣僚辞任で野党攻勢
野党各党は21日、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相の閣僚辞任を受け、国会で攻勢を強めた。閣僚交代を理由に衆院本会議での法案審議に反対し、そのあおりで労働者派遣法改正案の審議入りは28日に先送りになった。同法案の今国会成立など重要法案への影響が出てきている。参院外交防衛委員会では委員長の不手際で審議が中断するなど、与党の失態も目立っている。
「同じ日に2閣僚が辞めたことは前代未聞の出来事だ。安倍晋三首相の任命責任も重大と言わざるを得ない」。民主党の川端達夫国会対策委員長は21日の党代議士会で、政府・与党への対決姿勢を強調した。維新の党の江田憲司共同代表も党会合で「確実に潮目は変わっている」と訴えた。
野党7党は同日の衆院本会議について「閣僚の認証式の日に審議入りした例は聞いたことがない」と主張。自民、民主両党は21日に予定していた衆院本会議での土砂災害防止法改正案の審議入りを23日に先延ばしにすることを確認した。
野党が共闘姿勢を強めた背景には、それぞれの思惑がある。民主党は派遣法改正案を廃案に追い込みたい考え。同法案は派遣社員の受け入れ期間を事実上撤廃する内容で、民主党の最大の支持団体である連合が「非正規雇用者を増やす恐れがある」と反対している。
与党が23日を想定していた同法案の審議入りは「玉突き」で28日となり、首相が国際会議への出席で日本を離れる11月中旬前に参院で審議入りする日程は微妙となった。民主国対幹部は「与党が強行採決しない限り今国会での成立はできなくなった」と笑顔をみせた。
維新やみんなの党は同法案に賛成の方向だが、国会対応では足並みをそろえた。政権に対峙する姿勢をアピールし、党勢を上向かせたい思惑だ。
野党ペースで国会運営が進めば、ほかの法案に影響するとの見方もある。カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する議員立法(カジノ法案)は、法案を扱う内閣委員会で政府提出法案が山積。2020年の東京五輪・パラリンピックの準備に向けた特別措置法案も、専任の五輪担当相を置くため閣僚を増員する内容に批判があり、楽観できない。
野党側は参院外交防衛委で江渡聡徳防衛・安保法制相の政治資金収支報告書の訂正を巡る問題の追及を続けた。同委では自民党の片山さつき委員長が閣僚の想定答弁を政府から取り寄せ、質疑中に読んでいたことも発覚。野党は「本来は中立であるべき委員長として不適切」と反発して審議は中断、そのまま散会となった。