女性雇用成長へ女性就労促す 配偶者手当見直し、主婦は負担増も
21日開いた経済財政諮問会議で安倍晋三首相が配偶者手当の見直しを指示した背景には、持続的な経済成長に向け女性の就労拡大が欠かせないとの判断がある。同日の会議で伊藤元重東大教授ら民間議員は、さらに主婦年金などの見直し案も提言した。ただ、一連の改革は主婦や企業にとって負担増につながる面も多く、実現には時間がかかりそうだ。
国家公務員や7割以上の民間企業では、専業主婦世帯を支援するため、賃金制度に配偶者手当を設けてきた。民間企業は平均で月1万4347円、国家公務員は同1万3000円を受け取る。
この手当制度は、女性の就労促進を妨げる面がある。妻の年収が103万円や130万円を超すと「配偶者に十分な収入がある」として手当が打ち切られる。仮に税や社会保障で専業主婦の優遇を是正しても、手当が変わらない限り、就労抑制は続く問題があった。
そこで民間議員は、配偶者手当を妻の収入に応じて段階的に減額する仕組みを提案した。妻の収入が増えるほど、徐々に手当が減額されれば、世帯の所得が急に減ることはなくなる。政府の政労使会議で議論を進めるよう求めたほか「国は来年度の人事院勧告から反映できるよう検討すべきだ」と提言した。
民間議員は主婦年金の見直しにも踏み込んだ。主婦は年収が130万円までなら年金保険料を支払わなくてよいが、それを超すと負担が生じる。
民間議員は、可処分所得の大幅な減少が生じないよう、主婦も収入に応じて保険料を負担する仕組みを提案した。「自らの負担が将来受け取りにつながる実感、確信が重要」とも指摘した。
財政健全化に向けた取り組みも諮問会議で話し合った。民間議員は社会保障費は病床再編による医療費抑制や薬価の下落を反映させた歳出枠を設定すべきだと強調した。公共事業など社会保障以外の経費も、中期的な歳出の限度を導入する必要があるとした。