保育事業への企業参入促進カギ 待機児童解消

総合保育事業への企業参入促進カギ 待機児童解消

政府は2017年度末に待機児童をゼロにする目標を掲げるが、道のりは険しい。保育士の確保だけでは待機児童を減らせず、保育所の増設などが必要になる。園児1人当たりの保育コストは年200万円程度かかるとされ、公費負担の増大も避けられない。保育事業への企業参入を促すなど、大がかりな改善策が必要だ。

待機児童の減少が遅れる要因の一つが、受け皿の整備の遅れだ。政府は13~17年度の5年間で40万人分の整備を目指すが、14年度末までに確保できたのは約19万1千人分にとどまる。

保育所は定員が数十人~100人規模と大きく、都市部でまとまった土地は取得しにくい。資材高騰や人手不足で工事が遅れがちだ。東京都世田谷区や大阪市、大津市などでは今春の保育所新設を延期した。各自治体は既存の保育所の増改築や定員拡大で受け入れをはかるが、需要増に追いついていない。

政府は、少子化で経営の苦しい私立幼稚園を保育所の機能を兼ねた認定こども園に衣替えすることを狙う。だが、来年度からこども園に移行すると表明した幼稚園は全体の2割にとどまる。

保育の受け皿整備や人手確保などには、国と地方を合わせ約7千億円の税金を充てるが、この額は消費税率の10%への引き上げが前提だ。増税見送りとなれば、計画の大幅見直しは避けられない。

仮に計画通りに受け皿を増やせても、潜在的な待機児童は数十万人いるとされる。13年度は保育所の定員を4万7千人増やしたが、利用者もほぼ同数増えて「いたちごっこ」の様相だ。大規模な事業運営ができる株式会社が参入しやすくするなど、より踏み込んだ対策が必要だ。