人手不足が逆風に、疾走リブセンスの蹉跌

総合人手不足が逆風に、疾走リブセンスの蹉跌

「株主、投資家の皆様にご迷惑をおかけした」。8月14日に開いた第2四半期決算説明会で、村上太一社長は深々と頭を下げた。

「ジョブセンス」ブランドで求人サイトを運営するリブセンスは同日、2014年12月期の業績予想を下方修正した。当初は前期比2割増の営業利益19.5億円を計画していたが、一転して同7割減の5億円へ大ブレーキ。上場来初の下方修正で、2006年の創業から続く増益記録も止まる。

リブセンスは2011年に東証マザーズへ上場。2012年に東証1部に鞍替えした際、村上社長は東証1部上場企業の最年少経営者記録(25歳)を作った。以来、スタートアップブームを先取りする若手経営者として、注目を集めてきた。

だが、つまずきは突如として訪れた。背景にあるのは、日本のさまざまな産業で深刻化する人手不足と、検索エンジンでの表示順位低下だ。

本来は儲かる局面が…

一定期間(通常2カ月)内の求人数に対し、どれぐらい求職者がいるかを示す有効求人倍率。これとリブセンスの業績は逆相関している。有効求人倍率は2013年11月に人手不足の目安となる1.00倍を約6年ぶりに上回った。一方、リブセンスの2013年第4四半期(10~12月期)営業利益は前年同期比マイナスに転じた。

人手不足は、求人サイトにとって本来なら儲かる局面のはず。たとえば「バイトル」ブランドで求人サイトを運営するディップ。2013年3月期の営業利益は前期比約7倍の17億円で着地。今期は同4割強の営業増益を計画している。

だが、リブセンスには人手不足が逆風となった。そのカラクリを読み解くカギは、同社独自の事業モデルにある。ジョブセンスは企業の求人情報をサイトに載せるだけでは掲載料をもらわない。原則として、採用に至った際に初めて企業から手数料を受け取る。企業側は無駄なコストをかけずに人を集められる。

この事業モデルがこれまでは強みを発揮。利用企業は増え続け、リブセンスは強気な値上げも実施できた。が、人手不足の局面になると、企業は悠長に成約を待っていられない。ジョブセンスの成約率が落ちるのは必然だった。

アルゴリズム変更が追い打ち

追い打ちをかけたのが、グーグルのアルゴリズム(処理手順)変更だ。対応に遅れたことで、検索結果におけるジョブセンスの表示順位は急低下。AKB48を起用した宣伝やいち早く進めてきたスマートフォン対応などの施策が好循環を作っている」(渡辺永二取締役)バイトルとは対照的に集客力が落ちた。

リブセンスは、検索エンジンの表示順位を上昇させる手を打つほか、新たに電話サポートの強化や、一部大手企業に対する値下げなども進める。崩れてしまったモデルを立て直し、成長軌道に復帰できるか。若手経営者の手腕が試されている。