中途金融業界で採用ニーズが高まる分野
人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社が発表した2013年10月から12月までの採用動向予測をまとめたレポートによると、現在日本の金融業界は、過去数年のうち最もめざましい伸びを示しており、今後も安定的な成長を遂げると見られることから、人材需要が従来よりも高まっているという。
同社のリージョナル・ディレクター、ジョナサン・サンプソン氏は次のように述べている。
「日本の金融業界では一定の人材採用が安定的に進んでおり、新しい職種も増えています。年末の人材採用期限が迫っていることから、採用マネージャーは、一日に何度も面接を行い採用プロセスの早期化を図っています。同一の部門で複数の人材を採用する企業もあります。人材募集数が多く、人材競争が高まっており、企業が欲しいスキルを有する優秀な採用候補者は、数社から採用通知を得ることもある他、現在所属する企業、採用通知を出した企業による引きとめ(カウンター・オファー)も起きています」
最近特に目立つのは、今まで拠点を海外に移していた企業、あるいは海外への拠点移行を計画していた企業が、再度東京に拠点を戻す動き。
「バイ・サイド、セル・サイドともフロント・オフィスの募集が増えています。主に若手から中堅社員の人材募集が多い他、コンプライアンス部門の人材ニーズが高いです」(ジョナサン・サンプソン氏)
日本の金融業界で採用ニーズが高まると予想されるのは次のような専門分野だ。
◎金利デリバティブ・トレードのサポート
債券分野で金利デリバティブ・トレードの専門家が少ないため、ミドル・オフィスの優秀な候補者の需要が高く、企業は従来よりも広い層の人材を対象に採用活動を展開している。
◎バンキング・オペレーション
内国為替取引制度(全銀システム)を利用する外資系企業が増加している他、最近の制度改変によりこの分野の人材ニーズが高まっている。
◎投資信託管理(ITM) 関連セールス&マーケティング
2014年に少額投資非課税制度(NISA)が導入されることに伴い、資産運用会社のセールス&マーケティング担当者が求められている。資産運用会社は、マーケット・シェアの拡大を目指し、セールス&マーケティング用資料作成の経験者を採用し、チームの強化を図っている。
◎コンプライアンス (マネー・ロンダリング対策/ 金融犯罪対策)
マネー・ロンダリング対策専任者を置く金融機関は多くないため、既存の社員がこれらの業務を分担して行っている。そのため一般的な業務を担う人材の採用ニーズが高まっている。また、米国、英国における金融規制当局の制裁によって、グローバルに事業を展開する金融機関はその他の国、地域でも問題が起こらないようにしなければならない。これを受け、日本ではコンプライアンスと監査部門を統合化する動きが出ている。
◎FX セールス
日本経済への信頼感と強い円を背景に、一年を通じて企業、団体の為替セールス担当者に高い人材ニーズがある。
◎エクイティ業務
新しい職種として、キャッシュ・エクイティ・セールス、セールス・トレーディング、エクイティ・リサーチなどの人材が求められており、この需要は来年も続くものと見ている。
◎債券業務
レート、クレジット債権の販売およびマーケティング担当者を大手企業が求めている。採用後の教育研修で企業それぞれの独自文化に馴染むよう、若手から中堅の採用に意欲的だ。