【平等vs公平】公平性をもたらす人材育成施策アプローチ

教育・研修【平等vs公平】公平性をもたらす人材育成施策アプローチ

ダイバーシティ推進や女性活躍推進に取り組むにあたって
「公平であるか」という視点は欠かせないと私は考えています。

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■男女平等だから女性活躍推進は不要?
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当社では、男性管理職比率8割超といった
技術系企業に特化したダイバーシティ経営の
推進支援に取り組んでいます。

男性視点が中心となった組織における
ダイバーシティ推進の試金石としての
女性活躍推進施策に関わらせていただくと、
決まって現場社員の一部からこのような声が上がります。

「仕事上は男も女も関係ない、
評価もすべて男女平等だ」

確かに、制度や評価においては平等かもしれません。

しかし、そこに「公平性」があるかを考えてみると
疑問が残るのは私だけではないと思うのです。

 

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■平等と公平
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ここで改めて「平等」と「公平」についてまとめてみました。

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【平等】
個人の違いは視野に入れず、
全ての人に同じものを与えること

【公平】
個人の違いを視野に入れて、目的を達成するために
適切なものをそれぞれ与えること
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本コラムのサムネイルのような図を見たことがある方も多いかと思います。

特に男性が多い職場環境下で、いざ
ダイバーシティ推進や女性活躍推進に取り組むと

「平等だけど公平じゃない」

という状況に陥っている企業が多く見受けられるのが、
これまでの私の経験から感じているところでもあります。

 

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■女性社員には言いたいことが言えない
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2019年から当社が独自調査を行っている
「技術系企業におけるD&I実態調査」の本年度の結果を
現在まとめているところですが、その結果からも

・女性社員に指導する際、言いたいことが言えない(男性管理職)
・男性上司の伝え方がどうしても受け取りづらく感じてしまう(女性側)

といった課題・悩みの声が多く見られます。

現在、私がダイバーシティ経営の推進支援で関わらせていただいている
企業の経営者・役員・人事部長クラスの方(いずれも男性)に
ヒアリングすると、以下のような回答が寄せられているのが現状です。

「男性社員ならビシバシ物言えるのですが、
相手が女性となると泣かれると困りますので、
なかなか指導できません。」

「ハラスメントが怖くて、女性社員への対応は
極力少なくしています。」

「女性の情緒がわからないので、とにかく
当たり障りのないコミュニケーションを心がけています」

本来、社員の一員として成長していくための
指導やチャンスは公平に与えられるべきということに
疑いの余地はないでしょう。

一方で、特に技術系企業といった、男性の多い職場環境下で
“マイノリティ”と言われ、マイノリティとして最大多数でもある
女性にとっては、実態として上記の男性コメントのような
公平でない部分が存在するのだということを、
一人一人が意識し、公平性をもたらすための
対応をしていく必要があると私は考えています。

その取り組みが、男女に限らず、多様な人材が
それぞれの強みを活かし合い、
人も組織も成長し続けるような、
【ダイバーシティ&インクルージョン】へと
繋がっていくのではないかと思うのです。

 

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■公平性をもたらす人材育成施策アプローチ
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男性管理職比率の高い職場環境に公平性をもたらすため、
女性社員を管理職へステップアップさせる施策を実施したという
技術系企業を私は数多く見てきました。

中には施策がうまくマッチして、残業がなくなり、
職場全体の生産性向上をもたらすような素晴らしい
成果につながった企業様もあります。

しかし、ほとんどの企業では、女性管理職比率は高まったものの、
周囲に対するマイナスの影響のほうが大きく、
現場の混乱や本人のモチベーションダウン、
最悪の場合、離職増加などの引き金となってしまった、
という状況に悩みを抱えている様子が伝わってきています。

実際に私が直接サポートさせていただいている
企業様においては、形骸化しない・させない施策や仕組みを
導入しています。

例えば、女性管理職育成プロジェクトでは、
多くの技術系企業が、本来上司から教えてもらうべきことが
教えられなかったり、受け取るべき情報が
なかなか受け取れない事象が多発していることから、

●情報を受け取るための仕組み構築メソッド
●女性の特性を活かし周囲を巻き込む調整術

といったことを、女性社員だけに特化した施策の中で
お伝えし、現場実践を通して成功体験を積み重ねる
取り組みを実施しています。

この取り組みによって、

「仕事がやりやすくなった」
「自分の意見が受け入れてもらえなかった理由が分かった」
「周囲の力を引き出しチーム成果を出す役割が管理職である」

といった気づきや学びを女性社員の皆さんが得られて、
彼女たちがもたらした会社成長をもたらす成果を
目の当たりにした男性社員からは、

「今までその視点はなかった」
「女性部下の力を引き出すってこういうことか」

と更なる気づきを得て、双方の相乗効果によって
ダイバーシティ推進・女性活躍推進が一気に組織展開していく
という成果が広まっています。

このように、平等と公正の考え方を意識すると
公平になっていない部分がまだまだあるかもしれないと
お気づきになる企業・組織も多いかもしれません。

特に、男性管理職比率が高い企業では
男女間における様々な乖離が残っており、
ふとした場面で“男性社会”という側面が
垣間見えることもあるかと思います。

もし、技術系企業での人材育成や
ダイバーシティ推進・女性活躍推進の担当者
という立場にある方には、ぜひこの機会をきっかけに、
現場において公平になっていない部分を見極めて、
そこを公平にするためのアプローチについて考えて
いただければと思います。