新卒上司の皆さん、あなたの飲み会は ネットフリックスより面白いですか? 聞き手:ライフネット生命社長 岩瀬大輔
今どきの若い人たちは、飲み会が死ぬほど嫌い? 理想の上司は? 春から新社会人の大学4年生・小林廣輝さんに、『入社1年目の教科書』著者であり会社社長でもある岩瀬大輔さんが、若者のホンネと「若い人たちと上手につき合う方法」について、こっそり質問しました。
(構成/香川誠 撮影/佐久間ナオヒト)

岩瀬大輔(以下岩瀬):小林さんは2015年にミスター慶應の準グランプリにも選ばれていたそうですね。役者さんとしても活動されていたとか。そうした経験がインターンで役に立ったりしましたか?
小林:役に立っていたと思います。例えば……。あっ、そういえば、『入社1年目の教科書』にもある「宴会芸は死ぬ気でやれ」というのを、インターンの忘年会で実践しました!スマホに動画があるんですけど、見ていただけますか。
岩瀬:ぜひ!
小林:同じインターン生で、僕とは正反対のとても静かなキャラクターの方がいて、彼と一緒に長渕剛さんとマネージャーという設定でモノマネをしました。
岩瀬:(動画を見ながら)これは完璧に役者です、慣れていますね。なんだかずるい(笑)。
……門外不出なんですけど、僕が社員の前で演じた忘年会の動画をお見せしましょう。
小林:(平野ノラさんのメイクをした「岩瀬ノラ」さんの動画を見ながら)え!? これ、本当に岩瀬さんですか?メイクも服装も小道具も完璧で本人みたいです(笑)。まさしく全力でやっていて、びっくりしました。
岩瀬:そうなんです。見た人を「え、岩瀬はそこまでやるの?」と驚かせないといけないと思い、毎回振り切っています(笑)。最近入社した人は、僕がこういうことをやる人だと知らないので、かなりの衝撃だったようです。今日は小林さんにこれを見せられて満足です(笑)。
ただここでひとつお伝えしておきたいのは、僕は誰にも強要はしていませんし、「やりなさい」と言うつもりもありません。やりたい人だけやればいいと思います。「宴会芸を死ぬ気でやれ」という項目については読者の方からも、「そういうのは死ぬほど嫌い」だとか「それで会社における評価が決まるのは納得いかない」といった反響がありました。これらに対するアンサーは『入社1年目の教科書 ワークブック』にあります。小林さんは、どういうふうに解釈しましたか?


ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長。1976年埼玉県生まれ。東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)など多数。
若い人を飲みに誘っていいものか?
小林:宴会芸って心理的なハードルがかなり高いように感じます。特に大企業に入った人ほど、自分に対して保守的になってしまうのが常だと思うんですけど、それまでうまくやってきた自分の殻を破るというのは、とても勇気のいることではないかと。ただ、本を読んで感じたことは、「仕事でも何でも、とにかく全力でやり切ることが大事なんだ」ということでした。
岩瀬:そうなんです。真意が伝わっていて安心しました。ところで、若い小林さんから「嫌われない上司」になるヒントをもらいたいんですが、「こういう上司は嫌だな」っていうのはありますか?(編集部注:編集者に「聞いてくれ」とせっつかれたため質問する岩瀬氏)
小林:部下や若手の人間に「お前ら、俺のところまで突き上げてこい」みたいなビジョナリーなことを言って気持ちを高ぶらせるのはいいんですけど、実際にそれで頑張って成果をあげる直前になって、「おっとっと。来すぎ!」とブレーキをかけられてしまう、みたいなことは困るかもしれません。正直、「あれ?」と思ってしまいます。
岩瀬:要するに、ケツを持ってくれないとか、言葉に責任を持ってくれないといったことがあると、部下の心が離れていってしまう、と。
小林:そういうことになりやすいんじゃないかと思います。
岩瀬:最近は、若い人を飲みに誘うと嫌がられるという話も聞きますけど、小林さんは上司からの飲みの誘いについてどう思いますか?
小林:岩瀬さんから飲みに行こうって誘われたら絶対に行きます!尊敬している人や、話を聞きたいなと思っている人がいる飲み会なら、誰だって行きたいと思うでしょう。
岩瀬:そう言ってもらえるのは嬉しいです。ですが、人を選べないのが職場の飲み会でもあります。
最近の若い人はあまり好きじゃない上司から誘われたら、「すみません、今日は僕、予定があるので!」と言って断ったりするのでしょうか。小林さんだけでなく周りの友達とかも含めて、みんなどうすると思います?


1993年生まれ、慶應義塾大学文学部4年生。慶應理工学部体育会サッカー部でGK。2016年2月よりUtah大学での留学。帰国後、HRベンチャーTRYF inc.(ワンキャリア)に参画。フリーのライターとしてForbes、リクルートライフスタイルなどに寄稿した後、株式会社THIRDの立ち上げに関わりアプリUX/UIの設計から広報まで従事。また、社会的な活動として、ハロウィン後の廃棄削減プロジェクトである「Clean by Ourselves PJT」を主催し、NHKやフジテレビなど各種メディアに取り上げ話題となった。2018年4月より新社会人。
飲み会は、たくさんある選択肢のひとつ
小林:最初はみんな行くと思います。でもそのうち、行かなくなると思います(笑)。
岩瀬:そうですか。昔は断れなかったので、時代は変わりましたね。
小林:最近はネットメディアも発達していますよね。テレビもそうですが、飲み会の他にもいろいろと面白いことがいっぱいあるじゃないですか。SNSやニュースサイトを見るのも楽しいですし、NetflixやHulu、AbemaTVのような動画コンテンツも充実しています。
こうした、たくさんある選択肢のひとつに、飲み会があるというのが私たちの世代の認識だと思いますね。
岩瀬:要するにそれは、「あなたが誘って来た飲み会よりも楽しいことがあるんだぞ、もっと面白くしてくれれば行ってもいいぞ」と!(笑)
小林:いやいや、そういうことではなく(汗)。さきほどの動画のような岩瀬さんの宴会芸があれば毎回行きます!
岩瀬:あれは年に1回だけですから(笑)。
でもまあ、誘うからにはそういう気持ちでいないといけませんね。上司は、無条件に「俺と行く飲み会は勉強になる」などと思ってしまってはいけませんね。
小林:ちょっと曲解されてしまったかもしれませんが(大汗)、選択肢が増えて相対化できるようになったのは、昔と今とで違うのかな、と思います。
岩瀬:示唆に富む意見です。世の上司の皆さんは問いかけないといけませんね。果たして自分が部下を誘って開く飲み会は、Netflixよりも面白いのだろうか、と。あ、ここ「ダイヤモンド・オンライン」にしたほうがいいですかね(笑)。今日はいろいろと楽しいお話をありがとうございました。
小林:ありがとうございました。新社会人になってからも、『入社1年目の教科書』は自分の近くに置いて、折に触れ読み返したいと思います。
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長。
1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年、東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。
世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)、『ハーバードMBA留学記―資本主義の士官学校にて』(日経BP社)、『生命保険のカラクリ』『がん保険のカラクリ』(文春新書)、『ネットで生保を売ろう!』(文藝春秋)など多数。
