アルバイト・パート勤務歴が長いベテランスタッフとの接し方
前回のan reportでは、スタッフの離職理由において、ベテランスタッフの態度の影響がきわめて大きいことが明らかになりました。そこで今回も、引き続きパーソル総合研究所の調査をもとに、 「なぜベテランスタッフの発言権が大きくなるのか」 をアルバイトスタッフが多い職場独特の構造から、 また 「ベテランスタッフをどのようにマネジメントしてゆけばよいか」 について “意欲” という観点から、ご紹介したいと思います。
ベテランスタッフの発言権が大きくなってしまう理由を理解しよう
ベテランスタッフは職場にとって大切な存在です。しかし、ベテランスタッフの態度が必要以上に大きくなってしまったとき、 「あのひとはそういう性格だから」 と個人の人柄を理由にして納得しようとしがちです。しかし実は、そうしたベテランスタッフが生まれる背景には、アルバイト職場独特の構造的な問題が関係してくるのです。

①ベテランスタッフは職場歴が長い
多くの職場では、上司は異動のため2年から3年のスパンで頻繁に入れ替わってゆきます。一方で、アルバイトの場合は職場の異動がないことが多いので、ちょっと長く勤めているとすぐに上司よりも在籍期間が長くなります。そうなると、上司よりもベテランスタッフのほうが職場の知識をたくさん蓄えているため、結果として発言権が強くなるのです。
②シフトの奪い合いが発生する
ベテランスタッフはたくさんシフトに入っているフリーターである場合が多く、シフトが減ると収入減に直結してしまいます。そのため、新人が成長すると自分のシフトが削られてしまうことを恐れて高圧的な態度をとってしまう、というケースもあります。
このような構造が存在するため、そのベテランスタッフの人格にかかわらず、ベテランスタッフの発言権が大きくなる場合があります。職場の上司は、そんなベテランスタッフを上手にマネジメントする必要があるのです。
では次に、「上司は具体的に何ができるか」 を考えていきましょう。
ベテランスタッフをどのようにマネジメントしてゆけばよいか
知識も経験も豊富で、お店の運営にとって欠かせない存在のベテランスタッフ。ぜひ職場のために態度を悪化させず積極的に働いてもらわなければなりません。ベテランスタッフの意欲を上げてもらうためにはどうすればよいのでしょう?
実は、一口にベテランスタッフといっても、学生層・主婦層・フリーター層のそれぞれで意欲が上がるポイントが異なります。以下の表は、数値が高いほど、上司の対応が意欲に影響を及ぼしているということを意味しています。

まず全体に言えるのは、一番上の 「責任のある役割を持たせてもらっているか」 が意欲を大きく左右していることです。ベテランの意欲を高めるには、 「いかにして責任のある役割を任せていくか」 が一番重要だということがわかります。
【学生層】は、 「他のメンバーと平等に接してもらえている」ことが重要となります。また 「良い仕事をしたときは上司から褒められている」 の項目が他の層より目立って高くなっています。学生の意欲を上げるには、前提としてえこひいきなしに接しつつ、良い仕事をしてくれたときはマメに褒めることが大切なようです。
【主婦層】で高いのは 「自分の意見を仕事に取り入れてくれる」 といった項目です。指示したことをやってもらうだけでなく、時にはこちらから意見を聞いてみて、良い意見であれば積極的に取り入れるとよいでしょう。
【フリーター層】においては、 「長期的なキャリアについて話す機会があること」 「スキルや能力が身につくような仕事を任されていること」 が高くなっています。上司がただ仕事を任せるだけではなく、アルバイトさんが今後どうなりたいのかを把握したうえで、その将来に役立つような仕事を与えてあげることが意欲向上に繋がります。
まとめ
ベテランスタッフの発言権が大きくなる背景には、以下の二つがありました。
・ベテランスタッフは職場歴が長い
・シフトの奪い合いが発生
また、ベテランスタッフの意欲の上げ方について、属性別に整理し、マネジメントの手法にまで落とし込んだ部分が本記事のポイントです。
学生層・主婦層・フリーター層のそれぞれで、意欲が上がるマネジメントが異なります。
・【全体】 意欲を活かすために 「いかにして責任のある役割を任せていくか」 が一番重要
・【学生層】 意識的に「褒める」機会を増やしてあげることが有効
・【主婦層】 仕事を与えるだけでなく、意見を聞いて仕事に取り入れるとよい
・【フリーター層】 将来やりたいことに役立つような仕事を与えてあげることが意欲向上に繋がる
ただし、過去のan report “ 「時給派」「雰囲気派」 2つのタイプから、アルバイトの定着・退職防止を考える」” においてご紹介した通り、人のモチベーションの源泉は十人十色です。
こちらでご紹介した4種類の傾向+αでのマネジメントが重要となるのではないでしょうか。
本稿が、今日からの職場マネジメントに少しでも役立てて頂ければ幸いです。