配属したての新入社員と上手く向き合うための3つの心得

総合配属したての新入社員と上手く向き合うための3つの心得

今の時期、入社時社員研修を済ませた新人がすでに職場に配属されている企業がほとんどだと思います。大学もしくは大学院を優秀な成績で卒業した新入社員、あるいは部活動で心身ともに鍛えられた新人だとしても、社会に出たばかりの彼らの心は、じつはガラスのように弱いものです。莫大なコストをかけて採用した人材に最初の山場である夏を超えさせて、「使える」人材に育成するのは上司の役目。彼らとのコミュニケーションを円滑にする、3つのポイントを学んでいきましょう。(フリーライター 松永美樹)

1.まずは警戒心を解いて距離を縮める

企業のグローバル化が当たり前になっても日本人気質から脱することができないのは新人も同じです。リアルなコミュニケーションが苦手な世代ということもあり、自分から上司の胸に飛び込んでくるのは相当人懐っこいか、勇気のあるタイプ。彼らの心を開かせるのは想像以上に大変です。

上司にとってハードルになるのはむしろ「新人を甘やかしてはいけない」という気持ちかもしれません。仕事や社会における厳しさを伝える前に、まずは新人の警戒心を解いくことを優先させましょう。

「はたしてこの会社では、自分が受け入れられているのか」と不安に感じている新人に「こわい上司」という印象を与えて、閉ざしてしまった心を開くのは時間も労力もかかります。最初につまずくことなくいいスタートを切ったほうが得策です。

2.上から目線で距離を広げないことが大事

学生時代に遊びほうけていようが、しっかり単位を取って卒業さえすれば、今の親は子どもにあれこれ注文をつけることはしません。大きな問題を起こすことなく成長し、一流大学を卒業していればなおのこと、褒められこそすれ、本気で親から叱られた経験のない若者が多いのです。

そんな彼らに軍隊式の上から目線の言葉がけをしても緊張させるだけです。「そんな古臭い対応はしていない」と思うかもしれません。ですが、このようなシチュエーションはよくあるのではないでしょうか。

「研修はどうだった?ためになったかい?」

そんな優しい声がけも、よく考えれば距離を感じさせる言葉です。そもそも「ためになったか?」と聞かれたら「はい。大変勉強になりました」としか答えられません。実は一方的な会話になっているのです。

「最近の研修ではどんなことを教えてもらうの?」と声をかければ、「ええ、対話の際に相手をタイプ分析して、それに対応して潤滑にコミュニケーションを取れるようにロールプレイングしたのですが、興味深くてためになりました」「へぇ、どんなタイプ分けがあるの?」と会話を続けることができます。

「タイプはですね…」と得意そうに話し始めたら、「へぇ、面白いねぇ」とリアクションします。経験豊富な大人としては、ここで「そんな当たり前なことか…」と思ってしまうでしょうが、気持ちはそのまま相手に伝わってしまいます。

ここは会話を通して新人を知ることを目的に本気で聞いてあげましょう。さらに「〇〇君自身はどのタイプかな?」と内面に踏み込めば、新人からしたら聞いてもらえることでぐっと距離が近づいたように感じ、照れくさいながらも好感を持つでしょう。

3.社会で初めての「信頼できる大人」の地位を獲得しよう

毎年、新卒社員が入社する時期になると、メディアでその年の新人たちの特徴やタイプ分けが発表されます。ここ数年の新人たちに関しては、バブルの崩壊を目の当りにして育ったため、やや臆病で慎重派、そしてネット育ちのためSNSでのコミュニケーションが得意だが面と向かった対話に慣れていない、といった特徴は共通しています。

親でさえあまり子どもを叱らないのですから、多くの若者にとって教師や祖父母に怒られた経験は少ないでしょう。そのため、ないものねだりですが、本当に自分のためを思って他人が叱ってくれた、そこから多くを学んだといった経験に憧れています。

SNSでは体験できない、密なかかわりを経験させ、身近で信頼できる初めての大人という地位をあなたが獲得できれば、彼らが社会に順応する大きな手助けになるばかりか、今後の新人教育がスムーズに進むのは間違いないと思います。