総合中堅・中小、女性採用増へ職場カイゼン KMユナイテッドは建築塗装の素材変更、マックスは設備入れ力仕事削減
関西の中堅・中小企業の間で女性が働きやすい環境づくりが広がっている。女性ならではの声を受け健康に配慮した素材を使ったり、自動化で力仕事を減らしたりして採用増につなげている。人手不足が深刻になるなか、全国よりも働く女性の比率が低い関西では、潜在的な労働力としての期待も大きい。男性社員も含めた生産性の底上げにもつながりそうだ。
新人の半数に
建築塗装といえば男性の仕事――。そんなイメージを塗り替えたのがKMユナイテッド(京都市)だ。女性職人が10人と全体の3分の1を占め、今春の新人8人のうち4人が女性だ。竹延幸雄社長は「質の高い職人は定年を迎え、若手は3年で4割が辞めてしまう。人材不足は深刻で女性の活用が不可欠」と語り、職場環境の改善への取り組みを続けている。
きっかけは4年前に初めて採用した女性職人が打ち明けた「有機溶剤を使い続けると体に影響が出ないか不安」との声だった。スプレー塗装機を導入し、職人技に頼らず水性塗料が使えるようにした。10年かけ全工程を習熟する慣例を脱し、未経験者が短時間で技術を身に付ける新人教育を徹底。3年で特定の工程のエキスパートに育てる。
全国下回る関西
「手に職を付けたかった」という今年の新人、林諭可さん(26)は他業種からの転職組。「未経験の女性も一から指導してもらえると聞いて応募した」と振り返る。同社の売上高は2016年6月期に3億2千万円と前の期から8割増えた。今期は横ばいを見込む。
せっけんや入浴剤を製造するマックス(大阪府八尾市)は主力の奈良工場(奈良県橿原市)で生産ラインの9割を自動化。入浴剤の原料充てんなど力仕事のほとんどを機械に切り替えた。「男性しかできない工程の全てに設備を入れ、パートの女性が働きやすいようにした」と大野範子社長。20年前に男性が6割を占めた生産ラインの従業員は、今や7割が女性だ。
総務省の調査によると、15~64歳の女性のうち収入を得ることを目的に働いている有業者の比率は年々、上昇しており、女性が活躍する場が広がっている。ただ、関西では滋賀を除く2府3県で女性有業率が全国を下回る。失業率が低水準となり、人手不足感が強まるなか、関西には女性という「潜在的な労働力」を生かす余地がある。
そこで、大阪府は8月から建設、運輸、製造業の計150社を対象にセミナーを開く。トイレや更衣室の整備など働きやすい職場についての基本から指導し、女性や若者の就職実績が高い会社の勤務形態や独自の取り組みを紹介する。人材採用に成功した15社程度を「エクセレントカンパニー」に指定し、労働環境改善のモデルとなってもらう。「業界全体のイメージアップにつながる事業も展開したい」(雇用推進室)としている。