総合「いつまで働きたい?」定年延びる高齢者“現役”希望はどのくらいいるのか
人口減少社会に突入したことを背景に、定年延長や国挙げての働き方改革、ワークライフバランスが話題になるなど、日本人の働き方が、問われ始めました。背景には、増え続ける社会保障費や人材不足の対応があります。では、高齢者は何歳まで“現役”で働きたいと考えているのでしょう。内閣府の2016年版高齢社会白書をみていきます。
「働きたい」 7割の60歳以上の高齢者が希望

[グラフ1]高齢になっても働くことを希望する人の割合は7割となっています(2016年版内閣府「高齢社会白書」より)
白書では、60歳以上の高齢者に「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか」尋ねています。このうち「働けるうちはいつまでも」(28.9%)が約3割と最も多く、次いで「65歳くらいまで」、「70歳くらいまで」がそれぞれ16.6%で、働くことを希望する高齢者は71.9%に達していることがわかりました(グラフ1)。
では、雇用状況はどのようになっているのでしょうか。雇用者数の推移(全産業)をみると、15年時点で60~64歳の雇用者が438万人(前年比9万人減)、65歳以上の雇用者458万人(前年比44万人増)となり、65歳以上で雇用されている人数が60~64歳台を初めて上回りました。
60歳を超えると非正規雇用の比率が上昇

[グラフ2]高齢者の雇用確保措置実施状況。65歳以上が働ける企業割合は計72.5%になっています(2016年版内閣府「高齢社会白書」より)
働くことを希望する高齢者が多い一方、雇用形態は60歳を境に変化がみられます。男性の会社などの役員を除く雇用で、非正規職員・従業員比率は55~59歳台で14.3%ですが、60~64歳(57.1%)、65~69歳(74.4%)と、60歳以上になると大幅に上昇します。女性の場合は、非正規職員・従業員比率が55~59歳で6割以上に達し、60~64歳(76.5%)、65~69歳(78.0%)と、こちらも60歳を超えるとさらに割合が増加しています。
また、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に沿って、「定年制の廃止」、「定年の引き上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかを講じるよう義務付けた高齢者雇用確保措置について、実施済企業(従業員31人以上の企業約15万社)の割合は99.2%でした。そのうち、定年制廃止(2.6%)、定年65歳以上(15.5%)、希望者全員が65歳以上まで継続雇用(54.4%)など、65歳以上が働ける企業の割合は72.5%となっています(グラフ2)。(2015年厚労省「高年齢者の雇用状況」)
65歳以上の労働力人口は全体の11%以上に
ちなみに、高齢者の雇用は07年から10年にかけて経済情勢が悪化したことを受け、60~64歳の完全失業率は3.9%から5.7%まで上昇しましたが、15年は3.4%となり、15歳以上の全年齢雇用の割合と同じ値にまで改善しています(総務省「労働力調査」)。
実際、少子高齢化を背景に、労働力人口における65歳以上の割合は増え続けています。15年の労働力人口6598万人のうち65歳以上は11.3%にあたる744万人になりました。335年前の1980(昭和55)年の65歳以上の労働力人口は、全体の4.9%でしたが、その後、徐々に増えていき、9%を超えた2012年以降は毎年0.6~0.7%の伸びで上昇しています。(総務省「労働力調査」)