大卒内定 関西2.8%減 来春採用3年ぶりマイナス

新卒大卒内定 関西2.8%減 来春採用3年ぶりマイナス

関西企業の間で新卒採用を絞り込む動きが目立っている。日本経済新聞社がまとめた2014年度採用状況調査では、大卒の採用内定人数(14年春の定期採用)は今春実績比2.8%減となった。11年度以来3年ぶりの減少で、3年連続で増えた全国との格差が一段と広がった。関西でウエートが高い素材産業に採用を減らす企業が目立ち、製造業が6.4%減ったのが足を引っ張った。大阪労働局の調査では、正社員不足を即戦力となる中途採用で充足する傾向が明らかで、関西での新卒の採用環境は厳しい状況が続いている。

 14年度の大卒内定者数は、内定者の人数を回答した146社合計で1万4851人で、過去5年で内定者数が最も多かった09年度を22%下回った。全国平均では09年度比13%減にとどまっており、採用環境の厳しさが鮮明になった。高校や短大卒などを含めた新卒全体でも5.3%減と6年連続で減少。0.4%増だった全国とは対照的な動きとなっている。

 落ち込みが大きかったのは製造業。中でも繊維(26.0%減)や化学(18.1%減)など古くから関西圏に集積していた素材産業の減少が目立つ。一方、経営環境の厳しさから13年度に8.2%減らした電機は2.0%減にとどまり、新卒採用を絞り込む動きに一定の歯止めがかかった。

 素材産業を中心に各社に共通するのは、団塊世代の大量退職が一巡したことで、欠員を補う採用が減ったことだ。神戸製鋼所は定年退職者の減少や、即戦力となる中途採用を増やしていることで、新卒採用が27.5%減った。

 雇用延長の動きも影響している。旭化成グループは希望者全員の雇用延長を義務付ける改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されたのを受け、足元の退職者数が減る見込みとなり、新卒採用を絞った。

 非製造業は0.4%減と小幅な落ち込みにとどまる。マンション建築や公共工事の増加で現場の技術者が不足している建設業や、投資信託の販売好調などが追い風になっている金融業界が、新卒の採用を増やしたのが背景だ。

 大和ハウスグループは関西企業で唯一、内定者数が千人を超え、全国でも5位に入った。高松建設も理系を中心に採用を2割増やした。尼崎信用金庫は将来の幹部候補生となる女性を当初の計画以上に積極的に採用したことで内定者数が増えた。

 ただ、全国ベースの非製造業は7.3%増と、関西企業を大きく上回る。関西は金融機関や建設会社の企業規模が小さく、採用者数も少ないため、全体の比率に与える影響が小さい。また、採用規模の大きい西日本旅客鉄道(JR西日本)やNTT西日本グループは、中途採用の増加など大手製造業と同じ要因で新卒採用を減らした。

 同業他社との競争が激しい小売業界も採用を絞り込む動きが強まっている。ライフコーポレーションは、店舗での作業効率化による人員配置減やパートタイマーの比率を高めるため、大卒内定者を4割減らした。

 関西企業に内定した学生のすべてが関西圏で働くわけではないが、若年層の雇用環境の厳しさは消費動向などにも影響を与える可能性がある。関西景気の先行きにも影を落としそうだ。