総合埼玉県、非正規の正社員化支援 企業に専門家派遣
埼玉県は、専門家を活用して正社員として働くことを望む非正規労働者を支援する。2017年度から始める事業「非正規雇用者の正社員化プロジェクト」の一環で、キャリアコンサルタントが電話などで非正規労働者の相談を受けるほか、社会保険労務士などが県内の企業を訪問し正社員としての雇用を促す。就職氷河期世代などをサポートし、希望する人が安定した職と収入を得て生活できる環境づくりを目指す。
非正規労働者を対象に「正社員化総合相談窓口」を県庁の勤労者福祉課内に1日付で開設し、3日から相談業務を始めた。専用電話((電)048・830・4516)のほか、来庁した人への相談も受け付ける。県民のほか他県の住民で県内企業に働いている人も対象にする。
相談窓口には労働者それぞれの能力や適性などに応じ能力を伸ばしたり、転職などの相談にも応じるキャリアコンサルタント1人を配置する。県職員2人とともに相談者の状況を踏まえ、社内の制度の活用や転職、県立の高等技術専門校などでの職業訓練についてアドバイスする。
プロジェクトを進めるため、企業500社と従業員1万人を対象にアンケートを実施する。県内の非正規労働者の詳細な数、非正規となった要因や正社員になれない理由、企業の制度の有無、業種による傾向の違いなどを把握し、効果的な施策を進めるうえでの判断材料とする。
そのうえで、企業に社会保険労務士、中小企業診断士を年度内に延べ300回派遣するほか職員による巡回相談などを実施。非正規雇用を正規雇用に切り替えた場合に助成金を支給するなどの国の支援策を紹介するとともに、離職率の低下など正社員登用が人材確保の面でも利点があることを紹介し、正社員転換の取り組みを支援する。
専門家による対応と並行して、非正規労働者にを対象にSNS(交流サイト)やパンフレットで意識啓発をするほか、県内各地で年度内に16回前後セミナー、個別相談会を開く。市町村と連携したPR活動やセミナー、合同面接会を展開する正社員化推進月間キャンペーンも実施する予定だ。
総務省の2016年の労働力調査によると、全国の非正規の職員・従業員は2016万人。都道府県別のデータはないが、県勤労者福祉課は県内の不本意ながら非正規となっている人は約20万人と推定。「20歳代半ばから40歳代半ばの人は就職氷河期に非正規とならざるを得なかった人も多く、手厚くサポートしたい」とする。
2月には埼玉労働局や経済団体、労働団体と設置する公労使会議で不本意な非正規労働者対策と働き方改革を進めることを共同宣言しており、課題や成功事例を共有するなど連携して取り組みを進める。