大幅年収アップ転職を狙うなら「見えない給与」をまずもらえ!

中途大幅年収アップ転職を狙うなら「見えない給与」をまずもらえ!

給与水準を決める要因は何か?

「転職するのだから年収アップを勝ち取りたい」――。リスクを取る上に生活もあるのですから、転職希望者がそう考えたくなる気持ちはよくわかります。ただ、その人の年収アップ希望が妥当であるかどうかはまた別の話です。

「友人が年収アップで転職したので、私も転職して年収をアップさせたい」

実際に、こんな根拠で年収アップを希望する人がいるから驚きです。当然、友人の年収がアップしたことと、この人が転職で年収アップを勝ち取れるかどうかは全く関係がありません。

転職して年収が増えればハッピーですが、転職者の年収が必ず上がるわけではありません。そもそも年収はどうやって決まるのでしょうか。年収の影響を与える要因がいくつかあります。たとえば同じ職種であっても異業種からの転職や、年齢、経験スキル等により給与水準は変わりますし、同業であれば一般的に業界順位の高い会社の方が給与水準は高くなります。

また、ITや建設業界に見られるように、顧客(発注者)から仕事を請け負う元請け会社が最も利益率が高いので給与も高く、一次請け、二次請けというように発注者との距離が遠くなるにつれ、利益率が下がるので給与水準も下がります。最近は差がかなり縮まりましたが、国内系と外資系であれば外資系のほうが給与水準は高くなり、B to BとB to Cの関係であれば前者のほうが高い傾向にあります。

その仕事が企業のコストセンターに属するかプロフィットセンターなのかによっても差が生まれ、たとえば、同じSE職で比較した場合、企業内の情報システム部よりもシステムコンサルタントのほうが給与水準は高くなる、といった現象が起こります。

転職で何よりも重要なのは、即戦力度の高さです。同業他社に転職して同じ業務(職種)に就けば、即戦力度が高いので年収がアップしやすくなる一方、新たにチャレンジして学ばなければいけないことが多い業務では即戦力度が下がるため、年収がダウンします。

このように給与水準を決定する要因は複数あります。ですからキャリアチェンジ転職で即戦力度が低く、給与水準が下がりそうなときに目減りを最小限に抑えたいのであれば、給与水準の高い業界へ行く、あるいは国内系から外資系に行くといったことを念頭に活動しなくてはなりません。

なぜ年収を大幅アップした人は
一時的に給与が下がるのか?

中長期的な視点で見てくると、年収を大幅にアップした人は、転職時に一度給与が下がっていることが多いようです。これは新たな業務にチャレンジをするために転職し、一時的に即戦力度が下がったものの、その後に新たなスキルやノウハウを身に付けて大きな成果を出せるようになったからです。

目先の給与水準が下がるかどうかを気にする人が多いようです。将来的に年収の大幅アップを狙うのであれば、一時的に給与が下がるのは仕方がないにせよ、自分にとってチャレンジとなる職場環境で仕事ができ、その後に成果が出せれば評価される会社であるかどうかをしっかりと確認した方がよいでしょう。

たとえば、今の年収が1000万円とします。1年目の年収は800万円だが、頑張って成果を出すと2年後に年収1500万円が可能であるオファーと、会社が無理して出してくれた年収1200万円のオファーであれば、絶対に前者を選んだほうがいいと思います。なぜなら年収を大幅にアップする可能性があるからです。

もっと言えば、前者のパターンは「年収が下がった分」=「見えない給与」と考えることができます。新たな業務にチャレンジさせてもらうことで、今までよりもっと稼げるようになるためのスキルやノウハウを手に入れられるのですから。

成果を出したら給与はどう上がるのか
ストレートに確かめて構わない

転職希望者にとって何より不安なのは「成果を出したら本当に給与を上げてくれる会社であるか」をどのように確かめればいいかということです。これは面接時に面接官にストレートに聞いてみれば良いと思います。遠慮する必要はありません。なぜならある程度の規模や、評価を得ている会社であれば、同年代の社員の平均給与や入社〇年目のモデル給与を教えてくれるはずだからです。逆に、教えてくれない会社は怪しいと見たほうがいいでしょう。

「御社の規定で年収800万円になるのはむしろありがたいです。ただ、頑張って成果を出した場合は、評価してもらいたいと思っていますし、実際にそうなっていると伺っています。たとえば具体的に私が期待に応えられた場合は、どんなふうに給与は上がっていきますか?」

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あるいは「スタンダードな成果を出している人の給与はどれくらいですか?」と聞いてみてもいいでしょう。

そうした質問に対する答えの金額を聞いて、「はあ……」と感じるか、「そんなにもらえるんだ!」とワクワクするかです(後者の場合はたいてい「このぐらいやらなければだめですよ」という但し書きがつきます)。

これは転職を決断する際の一つの踏み絵で、「はあ……」と感じたのであれば、その会社への転職はやめておいたほうが無難です。やはり「チャレンジができて新たなスキルを身につけられ、結果を出せば給与も上がる」とワクワクできることが大切であり、「成果を出せなかったらこの給与が続くのか……」と不安が先立つようではいけません。

また、「今はみんな給与が安いけど、全員で頑張って増やしていこう」という会社は、将来の年収アップという点ではかなり危険なパターンです。なぜならその企業が大きく成長できる保証はどこにもないからです。

そういう会社に自分の夢や目利きかけて行くならいいかもしれませんが、すぐに年収アップを期待して転職するのはやめておくべきです。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)